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《ルイ14世騎馬像》

© Musée du Louvre, dist. RMN / Thierry Ollivier
彫刻
17-18世紀のフランス
1685年、ルイ14世の軍事大臣のルーヴォワは、理論家達によるパリ新広場建設案を採用する。この計画はジュール・アルドゥアン゠マンサールによって実現し、中央には7メートルの高さ(台も含むと17メートル)のジラルドン作ブロンズ製ルイ14世騎馬像が設置された。ヴァンドーム広場の誕生である。ジラルドンの彫刻は1792年に壊されてしまう。ルーヴルの作品はその唯一の署名入り縮小版である。
注文の背景
このブロンズ製作品はルイ゠ル゠グラン広場(現ヴァンドーム広場)のルイ14世騎馬像の縮小作品である。
ラ・フイヤード公は、王の機嫌をとろうと、記念碑的なルイ14世の歩行像を立てる案を思いつき、彫刻家マルタン・デジャルダンにそれを任せた。この像にふさわしい場所として、ナイメーヘン和約(1679年)で終結となったオランダ戦争での王の戦勝を讃える「勝利(ヴィクトワール)」広場を作らせた。
この計画は1685年、ルイ14世の軍事大臣ルーヴォワによって継続され、王の為にヴァンドーム館のあった場所に「征服」広場を作ることを決める。この広場は、ヴィクトワール広場と同じ建築家で、ヴェルサイユの宮殿やオランジュリーを構想したばっかりのジュール・アルドゥアン゠マンサールによって創案された。ライバルの広場に荘厳さで勝るように、騎馬像を立てることが決まり、デジャルダン以上に高名な彫刻家のフランソワ・ジラルドンにそれを任せた。
原型
ジラルドンは1683年から1687年の間に原型の制作をした。これはルイ14世をローマ皇帝に見立てたものだが、王は当時の豊かな巻き毛の鬘姿である。王は、鞍も鐙もつけていない馬に跨がり、馬は右前脚を持ち上げ歩く姿である。ジラルドンは絶対的な参考作品である、ローマのカピトリーノのマルクス゠アウレリウスの古代の彫像に想を得てはいるが、大きさではそれを遥かに凌ぐ(4メートルに対して7メートル)。王は古代の司令用マントを纏っているが王国を象徴するエンブレムは一切ない。唯一鞍の絨毯に百合の花の刺繍が施されている。ルイはその国首としての権威を象徴する。真っ直ぐな胸部、遠くを見る眼差、軽蔑するようにとがらせた口元、王は傲慢な仕草で右差し指を前に差し出す。馬は、負かした敵の剣と楯を脚で踏みつける。簡素で、平静で、記念碑的なこの王の肖像は古代彫刻の名に価する古典的な荘厳さで圧倒する。
鋳造と影響
ブロンズでの制作は無謀な計画だった。イタリアがルネッサンス時代から持っていた、大型のブロンズ製騎馬像制作技術を、フランスはまだ完全には習得していなかった。パリ初の騎馬像であるポン・ヌフ橋の上のアンリ4世像は、フィレンツェで制作された。ロワイヤル広場のルイ13世像は、アンリ2世像の為に鋳造した馬と、それには大き過ぎるルイ13世の肖像との組み合わせである。
鑞型鋳造は、フランスに居着いたスイス人鋳造家バルタザールケレールによって、1692年12月にやっと実現した。このサイズの像の為に、巨大で複合的な鋳型の隅々まで金属を注入させながら、一気に流す鋳造は離れ業であった。この8万リーヴルのブロンズを要した鋳造は、全面的な成功を収め、全員一致の賞賛を受けた。
彫像が台座と共に、結局ルイ゠ル゠グランと名付けられた広場に設置されたのはやっと1699年になってからだった。革命期の1792年8月には、絶対主義の象徴と見なされ破壊された。複数の縮小作品が制作されているが、一部はジラルドンの指示によるものである。完璧な仕上がりのルーヴルの縮小作品は、唯一の署名入りで、1メートル以上ある。
出典
- FRANCASTEL Pierre, Girardon, Paris, 1928, p. 81-82.- BEYER Victor et BRESC Geneviève, La Sculpture française du XVIIe siècle au musée du Louvre, Bergame, 1977, n.p.
- Chefs-d'oeuvre du musée du Louvre. Bronzes de la Renaissance à Rodin, Tokyo, Metropolitan Art Museum, 1988, p. 236.
- Du Duc d'Anjou à Philippe V, le premier Bourbon d'Espagne, Musée de l'Île-de-France, Orangerie de Sceaux, 1993, p. 136-137.
- BRESC Geneviève, "La statue équestre de Louis XIV", in La Place Vendôme, Art, pouvoir et fortune, DGAAVP, 2002, p. 91-95.
作品データ
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フランソワ・ジラルドン(1628-1715年)
《ルイ14世騎馬像》
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ブロンズ、鑞型鋳
高さ1.02m、幅0.98m、奥行き0.50m
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1784年王室総務局取得、1796年王室コレクション接収、1817年ルーヴル配分、1818年ルーヴル収蔵
M.R. 3229
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地上階
ピュジェの中庭
展示室105
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