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作品 《ヴォルテール(フランソワ=マリー・アルエ、通称;1694-1778年)、作家》

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

《ヴォルテール(フランソワ=マリー・アルエ、通称;1694-1778年)、作家》

© 2006 Musée du Louvre / Pierre Philibert

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

「この難しい芸術である彫刻術の最も美しい属性の一つは、祖国の栄光又は幸福を作り出した人物の形の真実を保存し、ほとんど朽ちることの無い姿に造形することである。」このウードンの願望は、正に啓蒙時代のイコンと言える、このヴォルテール肖像に完璧に当てはまる。彫刻家は、モデルの冷笑的な微笑と、眼中の生の光を消し去ることなく複数の肖像を制作した。

ヴォルテール、そしてウードン

ヴォルテールは正に啓蒙時代のエスプリを象徴する。今日は哲学者、寛容の父として知られているが、有名な劇作家、詩人そして歴史家でもあった。20年間のフェルネー(スイス)での隠遁生活の後、病気で83歳の身であったが、パリに1778年2月に戻り、その際大歓迎を受けた。コメディー・フランセーズでの自作の戯曲「イレーヌ」の上演に出席した際、彼の肖像は月桂冠で飾られ、長老は長い喝采を受けた。ウードンはそれまで出会ったことがなかったが、作家が亡くなる1778年5月30日以前に、数回ポーズを取ってもらう機会を得た。制作された複数のヴォルテール胸像の内、唯一ウードン作の鬘(かつら)無着用の胸像のみがこの偉人の大満足のいくものであった。アーティストはデスマスクの鋳型もとっている。これらをもとに、様々なタイプの胸像が制作され、そのうちの2つはルーヴル美術館に展示されている。またあらゆる素材(大理石、ブロンズ、テラコッタ、石膏)で複製されている。

フランス風ヴォルテール胸像

フランス風胸像は哲学者を当時の服装で、少々流行遅れの鬘を被った姿で表す。その時代にしっかり根をはり、不正に有罪となったプロテスタントのカラスの名誉挽回を図るなど、自分の思想の為に具体的に闘争した人物である。ウードンは、理想化せずに、モデルの真実の外見の姿と心理の追求を試みた。目の周りの隈、頰の深い皺やたるみ、張りのない皮膚の感じなど、年齢の刻印を見逃してはいない。ひろく突き出た額、光る目、精神的な皮肉を見せる固く閉じた唇など、肖像はまた知性や悪戯気も表面に出ている。ルーヴルの作品は大理石製で、彫刻家が亡くなった1828年の後の売却に由来する。別のヴァージョンでは、服装は大きなドレープに覆われている(コメディー・フランセーズ)。

鬘無着用のヴォルテール胸像

もう一つのタイプの胸像は、《ディドロ》像の為に考案したイコノグラフィーを採用している。鬘は着用せず、服も布も纏わず、トルソを切断した、古代の哲学者の様な姿で表され、時間が静止したような感じを与える。老人の薄弱さが一層強く出ている。顔の皺は更に深い。裸の為、飛び出した首の筋が露である。禿げた頭は頭蓋骨を思わせる。だが、目や唇の表情が活気を保ち、大弧を描く眉の下で、哲学者のエスプリはその鋭さを保っている。ルーヴルの胸像は、ビヴェール侯爵夫人からの寄贈で、特別状態が良く肉筆のような性格を示す。大理石像は極限の繊細さで制作され、こめかみの髪の毛の房は特別見事に表されている。ルーヴル美術館は、またこのタイプの鑞型鋳造によるブロンズ像も収蔵している。
三番目のタイプの胸像は、哲学者が巻く細紐で頭を押さえたもので、コメディー・フランセーズの為に彫られた⦅ヴォルテール座像⦆(現地蔵)から派生したものである。小台には、「悲劇」と「喜劇」を象徴する二つの浅浮彫りの仮面がある。
ヴォルテール肖像は多くの優れた画家や彫刻家などのアーティスト達によって制作されたが、ウードン作肖像は作家のイメージとして、また18世紀の哲学者のエスプリのイメージとして圧倒的に秀逸している。

出典

- REAU Louis, Houdon, sa vie et son oeuvre, Paris, 1964, I, p. 355-360.

- ARNASON H. H., The Sculptures of Houdon, Londres, 1975, p. 49-53.

- BENOÎT Jérémie, "Voltaire de Jean-Antoine Houdon", in Nouvelles acquisitions du département des sculptures (1980-1983), musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1984, p. 68-69.

- Jean-Antoine Houdon, Sculpteur des Lumières, Washington, Los Angeles, Versailles, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 2004, p. 152-172.

作品データ

  • ジャン=アントワーヌ・ウードン(1741−1828年)

    《ヴォルテール(フランソワ=マリー・アルエ、通称;1694-1778年)、作家》

    1778年

    彫刻家アトリエ;1848年の内務大臣決断により取得、アカデミー・フランセーズ向け;内務省蔵の作品を見たジョルジュ・クレマンソーがルーヴル入りを提案

  • フランス風胸像:大理石、小台は白大理石鬘無着用胸像:大理石、小台は木目模様入り赤大理石

    フランス風胸像:高さ48cm、幅44.3cm、奥行き35cm鬘無着用胸像:高さ35cm、幅19.5cm、奥行き20cm

  • フランス風胸像:1906年ルーヴル収蔵鬘無着用胸像:マリー=ルイーズ・ビヴェール侯爵夫人寄贈

    フランス風胸像と鬘無着用胸像

    R.F. 1426

  • 彫刻

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