Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《天然水晶製の飾り壺――〈スザンナと老人たち〉;〈ユディトとホロフェル

作品 《天然水晶製の飾り壺――〈スザンナと老人たち〉;〈ユディトとホロフェルネス〉》

工芸品部門 : ルネサンス

《天然水晶製の飾り壺――〈スザンナと老人たち〉;〈ユディトとホロフェルネス〉》

© 1993 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

元は枢機卿リシュリュー(1585年-1642年)のコレクションに属していた、この天然水晶製の見事な飾り壺は、1681年から1684年の間にルイ14世コレクションへ収蔵された。中世末期に加工された石部分には、16世紀になってミラノで物語の情景が彫り込まれた。縁飾りは二回に分けて、すなわち16世紀にミラノで、次いで、17世紀にフランスで制作されたものである。

天然水晶製の大型飾り壺

この壺は、非常に高品質の天然水晶で作られている。かなり背が高く、西洋ナシの形をした胴体には、本体から直接切り出された取っ手が付いている。この形状は、同じくルーヴルに保管されている天然水晶製の水差しにきわめて近い。ウィーン美術史美術館は、天然水晶製で二つの取っ手が付いた中世の飾り壺を二つ所蔵しているが、その形もルーヴルのそれにたいへん似通っている。とは言え、その輪郭はむしろ、ロレンツォ・デ・メディチ(1449年-1492年)コレクションに属していたいくつかの飾り壺を思わせるものである。例えば、そのうちフィレンツェの銀器博物館には赤色碧玉のものが一つ、同じくフィレンツェのサン・ロレンツォ寺院の宝物には天然水晶のものが一つ存在する。胴部に三カ所で固定された取っ手の付いた中世の堅石製の壺は、他には見られないが、この形状は古代由来のものであることが証明されている。蓋はというと、これは16世紀に図柄が彫り込まれた際に付け加えられたものである。

彫刻による装飾

この作品は、物語の情景が彫り込まれた堅石製の飾り壺の中では、最も古いものの中に入る。その胴部には、枠で囲まれた二つの情景が描かれている。一方は《ユディトとホロフェルネス》、もう一方は《スザンナと老人たち》である。19世紀にフレデリック・シュピッツァーにより蒐集されたコレクションには、《ユディトとホロフェルネス》を表した天然水晶のインタリオ(沈み彫り)があるが、それには彫刻家ジゥリオ・タヴェルナ(16世紀半ば)による署名があり、ルーヴルの壺の絵柄との類似を示している。沈み彫りとこの壺は、同一の作者によるものとは限らないが、同じ一枚の銅板の原画を元にしていると思われる。装飾の他の部分は、水差しMR281の装飾にきわめて近く、一方は女性の、他方は男性の胸像からなっており、両者はともに、翼をもった胸像か、あるいは怪鳥が端に付いた二重の巻葉装飾により挟まれている。蓋の上にも、この左右の巻葉装飾に囲まれた胸像のモチーフが三つ描かれている。また、全体にエンドウ豆の豆粒と莢(さや)とがちりばめられている。取っ手部分も、同様に16世紀に作られ、竜をかたどっている。髭面の仮面を彫り込んである二つの注ぎ口は後世の作であり、おそらく別の作品から取られたものと思われる。

縁飾り部分

縁飾りは、彫刻と同時代の、琺瑯引きの金でできた部品によってできている。その装飾は、黒の琺瑯による卵形、条溝、巻葉、そして白の琺瑯のモチーフ、青の琺瑯の小さな花からなる。縁飾りは、二つの注ぎ口が付け足された際に、さらに内容豊かなものにされた。琺瑯引きの金の縁は、この注ぎ口を固定するために一部が切り取られており、注ぎ口は、中央に仮面が収まった別の縁飾りによって支えられている。仮面は沈み彫りの枠飾り最上部を覆い隠しており、縁飾りの両端には二匹のキマイラが付けられている。石のひび割れを隠すために、四つの花輪飾りが取付けられている。これらの花輪飾りは、その様式および琺瑯の色が示しているように、16世紀フランスで作られたものである。蓋に付けられた琺瑯引きのつまみも、同様にフランスで作られたと見られる。

出典

Alcouffe Daniel, Les Gemmes de la Couronne, Editions de la Réunion des musées nationaux, 2001, p. 233-236.

作品データ

  • 《天然水晶製の飾り壺――〈スザンナと老人たち〉;〈ユディトとホロフェルネス〉》

    石細工: イタリア、ミラノ 縁飾り:イタリア、ミラノおよびフランス

  • 天然水晶, 琺瑯引きの金

    高さ(蓋なし)25.9 cm、高さ (蓋あり)39.1 cm、幅21.5 cm、 厚み0.5 cm、 直径 18 cm

  • 元リシュリュー卿コレクション、次いでその姪エギュイヨン公爵夫人蔵 - 1681年から1684年の間にルイ14世コレクションへ収蔵

    MR 280

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室705

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する


作品の補足情報

蓋の縁および台座の縁の裏に番号の彫込みあり:186 (1791年時点での目録番号)