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《小鉢》

© 1998 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
ルネサンス

執筆:
Muriel Barbier

フィレンツェの商人かつ銀行家の大一家であったメディチ家の人々は、芸術愛好家でもあった。一家そろって、みな芸術通の蒐集家だったのである。ルーヴルの赤色碧玉製小鉢は、ロレンツォ・デ・メディチ、通称「マニーフィコ」(1449年-1492年)のコレクションに由来する品である。ヴェネチアの他の作品との比較から、この小鉢は14世紀終わりから15世紀初めにヴェネチアで制作されたものと考えられる。

ロレンツォ・デ・メディチの「ストゥディオーロ」

「ストゥディオーロ」とは、瞑想、研究、夢想を行うための小部屋であり、蒐集家たちはそこに自らのコレクションを保管し、それを鑑賞して楽しんだのである。この小部屋は、注文主の好みによって、寄せ木細工や絵画で装飾がなされた。例えば、マントヴァにある《イザベッラ・デステのストゥディオーロ》は、アンドレア・マンテーニャの絵で飾られていた。そこには同様に、種々雑多な工芸品のコレクションが存在した。メディチ家邸内の「ストゥディオーロ」は、ピエーロ・イル・ゴットーゾ(「痛風公」)(1449年-1492年)の依頼で設計され、そこには一角獣の角、地図、大時計、貴重な書写本、絵画、そしてルーヴルの小鉢のような、堅石製の飾り鉢などがあった。

完璧な仕上がり

この小鉢は、同じ銘の入ったもう一つの碧玉製小鉢と同時に、ルーヴル美術館へ寄贈された。ロレンツォ・デ・メディチの宝物の、ほぼすべての飾り鉢や宝石に「LAV.R.MED」の銘が入れられたというわけではない。小鉢は円形で、胴部分、縁部分ともに、比類のない緻密さで細工がなされている。その形状は、ローマ期にきわめて広まった陶器のいくつかのタイプ、とりわけ押型文陶器を想起させる。フィレンツェの銀器博物館には、同種の小鉢が存在している。

制作年の問題

この技術的な完成度は、15世紀以降の時代にしか見ることができないものである。ヴェネチアの「ザンターニ家の洗面器」は、同家の紋章があることから判断して14世紀中頃の作とされているが、ルーヴルの小鉢をこの作品と比較することで、この小鉢が同時期のヴェネチアで制作されたものと推測することができる。とは言え、現在明らかになっている事実だけからは、制作年の問題を完全に解決することは不可能である。

作品データ

  • パリ

    《小鉢》

    14-15世紀

    ロレンツォ・イル・マニーフィコ・コレクション

    イタリア

  • 赤色碧玉

    高さ7 cm、直径21 cm

  • 1883年シャルル・ダヴィリエにより遺贈

    OA 3063

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャンヌ・デヴルー
    展示室503

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

銘の記入あり:LAV.R.MED