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作品 《昇天祭の日にリド島サン・ニコロでブチントーロ号に乗るヴェネツィア統領》

絵画部門 : イタリア絵画

《昇天祭の日にリド島サン・ニコロでブチントーロ号に乗るヴェネツィア統領》

© 1999 RMN / Béatrice Hatala

絵画
イタリア絵画

執筆:
Dollfus Corinne

作品は12枚の連作の一枚で、連作のうち10点はルーヴル美術館に所蔵されている。連作は全て、1763年アルヴィーゼ・モチェニーゴが統領に選ばれた際の祝典にまつわる同じ歴史的出来事を描いている。ヴェネツィアの町の「海との結婚」の祝典の後、統領はミサを受けるためサン・ニコロへと向かい、その後ヴェネツィアへと戻る。この祝典のために張られた天蓋の下を通った後に、統領はブチントーロ号に再び乗り込もうとしている。

歴史的背景

グアルディと彼以前にはカナレットが、赤い幕が張られ黄金の彫刻で覆われた統領の小舟のあるこの壮麗な祝典を描いている。同じく黄金色に彩られたより小さい舟や、黒いゴンドラが統領の舟のお供をしている。
12世紀以降、「センサ」(ヴェネツィア方言でキリスト昇天祭の意)の際には、統領が豪華船ブチントーロ号からアドリア海に指輪を投げ入れて「海との結婚」の儀式を祝う。お供の船団を付き従えて統領はサン・マルコ海盆を横切り、ヴェネツィア潟が海とつながるリド島まで赴く。そこで総督は金の指輪をアドリア海に投げ入れることで、ヴェネツィアによる制海権を再確認し、そしてミサに参列するのである。
ヴェネツィア共和国はこの作品の中に描かれている最後のブチントーロ号を1728年に建造させている。この見事な舟は、ボナパルト軍が到来した1797年に破壊され、無惨な最期を遂げた。

感動をもたらす詩情の解釈

画家は、この祝典のために教会と埠頭の間に張られた天蓋の下を通り過ぎた統領が、ブチントーロ号に再び乗り込もうとしているところを描いている。相当な数の群集が描かれており、様々な種類のゴンドラが潟を埋め尽くし、やわらかな緑色の水の上で豊かな色彩の点を形作っている。一方では、仮面を着けた人物像が跳ね上がっており、カーニバルの祝賀を喚起している。
上部の、銀色がかった光が優しく撫でている大空に対して、下半分に描かれた多彩な細部や、さまざまな形状のひしめき合いが対照的である。明るい色彩のタッチが画面全体に独特な活力をもたらしている。
グアルディは同じ主題を取り上げたカナレットのデッサンを基に1766年に作られた版画から想を得ているが、カナレットの作風はもっと無味乾燥で静的なものであり、場所の描写に対する関心を示している。グアルディはこれらの作品をきらめきのあるタッチと大気の効果の研究によって、自由に解釈した。こうして場面は、ヴェネツィアやその記念建造物の新奇さを半透明で銀色がかった光のなかに描写するための舞台となっている。その映像は、幻想と儚さを喚起する光の絶え間ないゆらめきの中に浸(ひた)されている。

1775年以降とされる制作年

小舟に乗った女性たちのまだらの羽根飾りは、1775年頃にパリで作られた髪型であることから、この連作の制作年は、それ以前ではないことがわかる。その前の10年間のグアルディの作品では、より地形が正確に描かれており、その薄暗い色彩はより一層対照的であった。
活力があり大胆なグアルディの絵画表現の変遷は著しい。黄金色の光が空間にリズム感を与えると同時に、明暗法が織りなす多彩な綾(あや)と、鋭く断続的に施された筆致の中で、さまざまな色彩を溶かし合わせている。厳密な地形描写に基づいた都市風景の描写である「ヴェドゥータ(景観)」は、グアルディの作品においては幻想的で華美な趣を加えている。

作品データ

  • フランチェスコ・グアルディ(ヴェネツィア、1712-1793年)

    《昇天祭の日にリド島サン・ニコロでブチントーロ号に乗るヴェネツィア統領》

    1775-1780年頃

  • 画布に油彩

    縦0.67m、横1.01m

  • 1797年、ペストレ・デ・セネッフェ伯爵コレクションの革命時接収品

    INV. 319

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    ヴェネツィアの祝祭 18世紀のヴェネツィア絵画
    展示室723

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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