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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《絶望の光景》

Scène de désespoir

RMN-Grand Palais - Photo M. Urtado

素描・版画
18世紀

執筆:
Maget Antoinette Stagiaire Michel Régis

この素描は、セルゲルが18世紀末に制作した連作の中で最も悲劇的なものの一つである。この素描は、死別の悲しみと憂鬱さに満ちた、創造的な時期の作品である。1795年のスウェーデン国王グスタフ3世の逝去、次いで1796年にセルゲルの妻アンナ・レラが亡くなったことは、セルゲルの芸術に強い影響を与えた。この作品は、芸術家が体験した悲劇を胸が張り裂けんばかりに描き出している。セルゲルは、悪夢や恐怖、自殺しようとする強迫観念を表わす手段を素描に見出したのである。

知られていない芸術家

彫刻家であり素描家でもあるヨーハン・トビーアス・セルゲルは、18世紀末における最も重要な北欧の芸術家の一人であるが、また最も知られていない芸術家の一人でもある。彫刻制作において古典的理想に近かったセルゲルは、逆に素描においてはフランス自然主義の傾向により影響を受けた。セルゲルは、自由で表現力に富んだ技法で、次第に現実を記録する素描や諷刺に向かう。セルゲルは、パリとローマで美術を学び、全ヨーロッパからやって来た芸術家たちと出会った。スウェーデンに戻ったセルゲルは、ストックホルム美術アカデミーに職を得、すぐさまグスタフ3世のお気に入りの芸術家、親しい友人となった。

限りない絶望

影と闇が支配する空間、がらんと空いてはいるが舞台装飾のように設えられた部屋で、抱き合った2人の子供が空を仰いで哀願している。この2人の子供の向かいにいて、右側の空間を全て占めている筋骨たくましい立派な体格の男は、経帷子のような布をまとっている。棺を思わせるソファに横たわっているこの男は、半ば仰向けの姿勢を取り、腕で目を隠していることから、外の世界から孤立している。

陰鬱な預言者

セルゲルは、素描において本能的な衝動のおもむくままに描き、非合理の影もが差し始めている。セルゲルは、この作品を含む「憂鬱症」の連作(1795年)において、理性の黄昏や、啓蒙の時代の終焉に向かう道のりをたどった他の芸術家たちと同一視される。ブレイク、フュースリあるいはゴヤに近いセルゲルは、「憂鬱症」の連作で、芸術と狂気の関連についての並外れた記録を残した。こうした素描においてセルゲルは、夢によって表わされた理性と、怪物じみた人物像によって具現化された非合理との間のコントラストを描き出している。また、セルゲルの作品には文学の影響も見られ、そのいくつかの気分や考え方、感情的な内容は、オシアン、シェイクスピア、シラーらの作品に見受けられる。内奥の絵画世界を表出しようとするフュースリとゴヤの欲望を鑑みるに、セルゲルとこの両者との関連は一層明らかである。

出典

- Johann Tobias Sergel (1740-1814) : Kunst um 1800, cat. exp. Hambourg, Hamburger Kunsthalle, 1975.

- Johann Tobias Sergel (1740-1814) : Dessins des collections du Musée national de Stockholm, cat. exp. Paris, Centre culturel suédois, 1975.

- Sergel, cat. exp. Stockholm, Musée national, Stockholm, 1990.

- MICHEL Régis, "Sergel au Louvre. Autour de l'Hypocondrie : dessins effusifs", in Revue du Louvre, février 1995, n 1, pp. 8-12, figure 8, note 24.

- MICHEL Régis, "Sergel et l'invention du sujet", in La Peinture comme crime ou la part maudite de la modernité, cat. exp. Paris, musée du Louvre, 2002, pp. 70-87, 355-356, n 50 (Chiara Ersilio).

作品データ

  • ヨーハン・トビーアス・セルゲル(ストックホルム、1740年-同地、1814年)

    《絶望の光景》

    1796年

  • ペン、黒と褐色インク、褐色の淡彩、黒チョークの輪郭線

    縦0.207 m、横0.330 m

  • セルゲルの家族、1994年に取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

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