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ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>《聖母の神殿奉献》

Présentation de la Vierge au Temple

素描・版画
18世紀

執筆:
Mancini Federica

絵画《聖母の神殿奉献》は、第二次世界大戦中に、ナポリ近郊のカゼルタ宮殿の王家の礼拝堂が爆撃された際に消失した。残存しているこの準備素描は、この画家の唯一の自筆である。すでに「新しいラファエッロ」として著名であったメングスは、ナポリ宮廷で作品が称賛されたおかげで、フェルディナンド4世の王国の中枢であるマドリードに向けて発つことができた。この時よりメングスは、真に国際的に活躍することになったのである。

唯一の証

ナポリ王にしてメングスの同国人であったフェルディナンド4世の王妃マリーア=アメリアが関心を抱いてくれたおかげで、メングスは、カゼルタの王家の礼拝堂装飾のために任命された画家たちの一員となった。宮殿の建築家ガスパーレ・ヴァンヴィテッリは、ナポリ出身の画家を好んだようで、最初メングスの絵画に対して厳しい評価を下した。ヴァンヴィテッリは、後にこの評価を修正する。この素描が今日残存しているその唯一の証である絵画《聖母の神殿奉献》は、1757年(この年にメングスは、「かっきり600ゼッキーノ金貨」の支払いを催促する手紙を送っている)から、メングスが自らの手でナポリに絵画を納めた1759年の間に完成したものと思われる。

ます目

ます目が示すように、この習作はそれを基に絵画を制作することを前提に構想された。画面下側に描かれたアーチによって、絵画が扉の上に据え付けられる予定であったことがうかがえる。文献によれば、《神殿奉献》は、ナポリの画家セバスティアーノ・コンカによる《聖母の誕生》の向かい側に位置する、聖母に奉げられた礼拝堂の内陣に掛けられていた。

聖母マリアは場面の中心を占め、司祭の前にひざまずいている。画面左側では、聖アンナと聖ヨアキムの二人の人物が聖母に付き添っているのに対し、右側では、2人の女性が階段に腰かけており、その中の1人は子供を抱きかかえ、聖母とその両親の方に視線を向けている。このエピソードは、外典福音書から引かれているが、メングスは、そこに16世紀以降イタリアで発達した手本を基にして人物を描き加えている。実のところ、聖母の両親が場面に登場するようになったのは、反宗教改革以降のことでしかない。逆に、階段に腰かけている女性は、元の文章には言及されておらず、構図のバランスを取る役割を果たしている。

「新しいラファエッロ」

新古典主義の理論家にしてメングスの友人であったヴィンケルマンは、メングスをラファエッロの立派な後継者と見なしていた。実際この素描には、過去の巨匠の影響を示すいくつかの要素が見受けられる。構図にはバロック風の誇張がなく、人物はそれほど劇的な態度を示さず、物語の進行を淡々と語っているように見える。この「新しいラファエッロ」は、ルネサンスの天才への称賛の意を明らかにしている。聖ヨアキムは、ヴァティカンの「署名の間」にあるラファエッロの《聖体の論議》の人物に近い。さらに、この素描に見られる構図のバランスと図像表現上の手本から、メングスがドメニキーノやジョルダーノといった17世紀の芸術家に通じていたことがうかがえる。

出典

- Mengs : la scoperta del Neoclassico, cat. exp. Padoue, Palazzo Zabarella, Dresde, Staatliche Kunstsammlungen, 2001, p. 153, repr. p. 152.

- MICHEL Régis, Le Beau idéal ou l'art du concept, cat. exp. Paris, musée du Louvre, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1989, pp.139-140, 159.

- ROETTGEN Steffi, Anton Raphael Mengs, 1728-1779 : Band 1 : das malerische und zeichnerische Werk, Munich, 1999, p. 30, n. 4 vz 2.

作品データ

  • アントン・ラファエル・メングス(アウスィッヒ、1728年-ローマ、1779年)

    《聖母の神殿奉献》

    1759年以前

  • 青色がかった紙に黒チョーク、白クレヨンのハイライト、ます目

    縦51.2 cm、横38.7 cm

  • 1812年以前に取得

  • 素描・版画

    保存上の理由により、当部門の作品は常設展示室では展示されていません。

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作品の補足情報

右下:XLVII;art.a I.a N.o 7;25中央の下側:N.o 13;5+24+1=30