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作品 《著述家であり外交官であるバルダッサーレ・カスティリオーネ(1478-1529年)の肖像》

絵画部門 : イタリア絵画

《著述家であり外交官であるバルダッサーレ・カスティリオーネ(1478-1529年)の肖像》

© 2007 Musée du Louvre / Angèle Dequier

絵画
イタリア絵画

執筆:
Scailliérez Cécile

衣装の慎ましさと気品、モデルのもつ強烈でありながら簡潔で自然な存在感によって、『宮廷人の書(廷臣論)』(1528年出版)の著者でラファエッロの友人でもあったこのカスティリオーネの肖像は、その著書の中に描かれている申し分のない貴族、そして完璧な宮廷人の姿を絵画において具現化した典型的存在である。この絵画はおそらく、1514-1515年にローマで、ウルビーノ公爵がカスティリオーネを駐教皇庁代表使節に任命した際に制作されたと考えられている。

バルダッサーレ・カスティリオーネ

この肖像画のモデルは詩人、人文主義者でありウルビーノ公の使節であったバルダッサーレ・カスティリオーネで、若きラファエッロはそのウルビーノでカスティリオーネと知り合ってもいる。1528年に出版され、理想的な宮廷人のあるべき姿を確立した『宮廷人の書』の著者として有名であったカスティリオーネは、ラファエッロの友人となり、二人は美と調和に対する同じ考え方を共有していた。

宮廷人の権化

二人の間の親近感は、おそらくモデルのカスティリオーネ自身の意向で描かれた、ラファエッロによる驚くほど簡潔で自然なこの肖像画の中に完全に現れ出ている。カスティリオーネは、自身の持つ申し分のない宮廷人の身なりのイメージにぴったりと一致した見事な気品と慎み深さが備わった衣服を着て描かれている。髪をぴったりと押さえつけたターバンを被り、その上には、縁に切り込みが入れられメダルで飾られたたベレー帽をのせている。また、身を包んでいる暗い色のたっぷりとした胴衣は、胸当てと袖の上部に灰色のリスの毛皮が黒いリボンで留め付けられ、開いた胸元からは膨らんだ白いシャツが見えている。この冬の装いから、肖像画は1514-1515年の冬の間、それも、ウルビーノ公によって教皇レオ10世の下での駐在大使として任命されたカスティリオーネがローマに滞在していた折に描かれたものとわかる。ラファエッロは、1508年以降ローマで活動していた。
黒、灰色、白の各色の間に見られる、この衣服のもつ控えめな調和は、明るく暖かみのある淡い灰褐色の背景へと続いており、その背景を満たすぼんやりとした光の中には、右手に、モデルの影がかすかに滲んでいる。ラファエッロの他の作品にも見受けられるように、絵の全体は細い黒の帯によって縁取られているが、その帯は、わざと手の部分を切り取り、観る者の注意を顔と、その青い力のこもった眼差しへと引きつけることで、作品の境界を画しているのである。

自然体の肖像画

右下隅には肘掛け椅子の一部が簡単に描かれ、そこに座ったカスティリオーネの上半身は斜め左前から捉えられており、その姿勢や、観る者の方へ向けられたその視線、前景で組み合わされた両手、柔らかな光を帯びた肖像の外観は、繊細かつ自由でゆとりに溢れる筆致で描かれた、《モナ・リザ》に対する賛辞であると言えよう。ラファエッロは、レオナルドがフランスに発つ前にローマに滞在していた時期に間違いなくこの作品を見ていたものと思われる。しかしこれら二つの作品における雰囲気、そしておそらくは、二つの肖像画における二人の画家の願望は、根本的に異なっている。自らの妻に捧げたラテン語による哀歌の中で、カスティリオーネはラファエッロが描いた自身の肖像画に触れ、見事なまでに似通っているその迫力と、そこから発する存在感について、自ら詠っている。この等身大の肖像画の見事な近代性を作り出しているのは、何にも増して、その姿態のもつ自然さ、瞬間性、直截(せつ)さ、自由さであり、そしてその生き生きとした表情なのである。

作品データ

  • ラファエッロ・サンツィオ、通称ラファエッロ (ウルビーノ、1483年-ローマ、1520年)

    《著述家であり外交官であるバルダッサーレ・カスティリオーネ(1478-1529年)の肖像》

    1514-1515年

  • 画布に油彩

    縦82cm、横67cm

  • ルイ14世コレクション

    INV. 611

  • 絵画

    ドゥノン翼
    2階
    グランド・ギャラリー トスカーナと北イタリアの絵画 15‐16世紀
    展示室710, 712, 716

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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