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作品 「腕を組んだ偶像」型の女性像の頭部
古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ギリシア美術の起源(前3200-前720年)・青銅器時代と幾何学様式(前7-前6世紀)

「腕を組んだ偶像」型の女性像の頭部,
© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis
「腕を組んだ偶像」型の女性像の頭部

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis
古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ギリシア美術の起源(前3200-前720年)・青銅器時代と幾何学様式(前7-前6世紀)
稀に見る大きさのこの破片の頭部は、最も価値のある作品のように考えられ、前期青銅器時代のキクラデス諸島にて繁栄した、ギリシア大理石彫刻を証明する最古の作品のうちの一つである。この時代特に好まれた主題は、胸の下で腕を組み、爪先立ちをしている裸体の女性の偶像のものである。小像の多くの連作にもかかわらず、これらの作品の図像の解釈や役割はなぞに包まれている。
大理石の偶像
アナトリアの工房からキプロス島に引き継がれた、前3200年からのブロンズ冶金の普及は、エーゲ海岸やそこに点在する島々にまで達し、それらの地域を石器時代や新石器時代から進化させることを可能にした。逆説的に青銅器時代の間(3000年紀の間)において、大理石製のギリシア彫刻の最初の傑作が作り上げられた。その完成度、例外的な大きさよりこのケロスの頭部は、デロス島の周りのキクラデス諸島(ギリシア語で輪を意味するクロス)にて開花した、この美術の最も重要な証拠品のうちの一つである。元は1.5m近くの高さを持つこの彫像は、胸の下に腕を組み、両足をつけ、爪先立ちをした女性裸体を表現している。
なぞに包まれた意味
不適切にも偶像と名づけられた、これらの人物像の役割や最初の形のように、実のところその意味合いは解明されていない。多くの仮定が提示されたが、それらは一つずつ否定されていった。近東の豊饒の女神に近いいくつかのものは、お産の姿を描いている。他のものは、死者、死者たちを守る者または、あの世の召使を表現したもののように解釈されている。しかしながらこれらの使用法は、埋葬に限られたものではない。というのもそれらは墓場や住居で発見され、しばしば古代の修復の跡を持ち合わせているからである。
幾何学的な図形
軽石による大理石の研磨(ギリシアのこの地方にて重宝された2つの素材)により加工されたこの竪琴形の頭部は、その純粋さ、構成のバランスにより目を引く。多彩装飾は、目、口または入れ墨を示すため、大理石の輝く白さを浮彫にしている。単純な外見をしたこの作品は、表面の滑らかさとボリュームの調和の取れた構成から作られている。正面から見えない耳と鼻のみ、軽い浮彫により示されている。それは、おそらくコンパスに近い道具により描かれた、曲線と正弦曲線によりできた顔に生命感を与えている。真の幾何学的な図形であるこの頭部は、ブランクーシ、モディリアニ、ピカソのような20世紀の多くの芸術家を魅了した狭義での抽象を含んでいる。
出典
- HAMIAUX M., Les Sculptures grecques, vol. 1 et 2., Editions de la Réunion des musées nationaux, 1992-2001, 2e éd., Paris, p. 32, n 12.- Greek Art of the Aegean Islands, Metropolitan Museum of Art, New-York, 1979-1980, p. 55-56, n 12, fig.
- Mer Egée Grèce des Iles, Musée du Louvre, Paris, 1979, p. 56-58, n 10, fig.
- Kunst und Kultur der Kykladeninseln im 3 ; Jahrtausend v. Chr., Badisches landsmuseum Karlsruhe, 1976, p. 473-474, n 200.
- Zervos C., L'Art des Cyclades du début à la fin de l'Age du bronze, 2500-1100 avant notre ère, Paris, 1957, p. 159-161.
作品データ
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「腕を組んだ偶像」型の女性像の頭部
前2700-2300年頃
ケロス島(キクラデス諸島)
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丸彫、研磨、大理石
高さ27cm
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1873年O.レイエ氏寄贈
Ma 2709
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シュリー翼
2階
七つの暖炉の間
展示室660
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