Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>『耳形の』壺、最大級、ローズピンクの地

作品 『耳形の』壺、最大級、ローズピンクの地

工芸品部門 : 18世紀:ロココ

『耳形の』壺、最大級、ローズピンクの地

© 2013 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Rochebrunne Marie-Laure (de)

この2点の手すり子の形をした壺は、取っ手が2つ付き、その輪郭は逆さまになった耳を思い起こさせる。各壺の膨らみの部分には、1757年にセーヴルで開発されたすばらしいローズピンクの地色が施されている。それぞれに金で縁取られた飾り枠が2つずつ施され、ブーシェ風に描かれた、季節を具像化したアモルが中に含まれている。壺の型は、デュプレシスの制作であると推定されている。これらの作品は、セーヴルで1758年に商品化されたローズピンク色の地を施した、最初の作品群の一部である。

四季の主題の装飾

この手すり子(バラスター)の形をした2点の壺は、一番大きなサイズのものである。それぞれに取っ手が2つ付いているが、その輪郭は逆さまになった耳を思わせる。それぞれが、後に付け加えられた、小型の台石がはめ込まれた黒檀材の台座に載せられている。この台座には、遊ぶアモルたちを表わした金鍍金ブロンズの4つの浮き彫りが施されている。各壺のふくらみには、曲線的な飾り枠が2つあり、その中には小さなアモルが、むら雲の上に2人ずつ組になって、フランソワ・ブーシェ風に描かれ、四季を図像化している。片方の壺には、それぞれが1羽の鳥と1本の鎌を持つ2人のアモルによって表わされた『夏』、そして花葉飾りを手に持つ2人のアモルによって表わされた『春』が見られる。もう片方には、片面に『秋』が、1人は居眠りをし、もう1人がブドウの房がついたテュルソス(酒神バッカスを象徴する杖)を持つ2人のアモルに表象されているのが見られる。その反対側には、火鉢の前で体を温める2人のアモルが表わす『冬』がある。

耳形の壺

耳形の壺の形は、金銀細工師ジャン=クロード・デュプレシスの作であるとされている、1754年からヴァンセンヌ磁器製作所で商品化され、セーヴルでも長期にわたって制作されていた。というのは、1784年に、ルイ16世が『耳形の壺』をスウェーデン王、そして、当時パリに滞在していたフリードリヒ2世の弟プロセイン公ハインリヒに贈っている。またそれらの品はルイ15世、ポンパドゥール夫人、コンデ公も購入している。コンデ公はこのルーヴルの2点の壺を、ヴェルサイユでルイ15世が自分の内部居殿で始めた、クリスマスの競売で購入した。彼は同じ日にローズピンクの壺を他に3点購入しており、それらは現在ニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されている。

金泥とローズピンクの地

各飾り枠の周りの、非常に自然な描写の花葉飾りと、小型の台石上の、より抽象的な描写の唐草模様からなる金泥塗りは、すばらしい出来栄えである。金の塗装は一貫して深紅色(カーミン)で陰影をつけられるが、この技法は元来、ローズピンクの地色が、金箔をのせるのに使う箔下ワニスの作用で、黄色に変色するのを避けるために使われた。この手順は、王立磁器製作所で制作された、初期のローズピンク色の地の作品にしか見受けられない。この手法により、金泥は、独特の強さをもって浮き出るのである。
ローズピンクの地は、1758年の展示会の際に、最新の商品として発表された。というのは、この色は前年に開発されてはいたが、この年までは、この地色を使った作品はまだ商品化されていなかったのである。この色は1757年に、製作所がヴァンセンヌからセーヴルに移ったあとに、絵付け師のフィリップ・クルーエ父(1725年‐1775年)が開発した。クルーエ父は、1758年に、「斬新で非常に好ましいローズピンク色の地色」を開発したとして、150リーヴルの特別手当を受け取った。この色は、セーヴル磁器製作所の登記録の中で、当初は「ローズ」と呼ばれていたが、まもなく、1760年を境に、おそらく薄紫色に近い色であったので、「リラの花の色(藤色)」と言われるようになった。この2点の壺の装飾の作者は、刻印がないために、現在では分かっていない。

出典

- ROCHEBRUNE Marie-Laure (de), Acquisitions, La Revue du Louvre, février 2003, n° 1, n° 32, p. 97.

- ROCHEBRUNE Marie-Laure (de), Paire de vase à oreilles , L’Objet d’art de la Saison n° 24, , publication du département des Objets d’art, Paris, musée du Louvre, avril 2003.

- ROCHEBRUNE Marie-Laure (de),  Nouvelles acquisitions du département des Objets d’art (1995-2002) , Paris : RMN, 2003.

作品データ

  • 『耳形の』壺、最大級、ローズピンクの地

    1758年

    ブルボン宮のコンデ公の旧コレクション

    王立セーヴル磁器製作所

  • 軟磁器、黒檀材、金箔を貼ったブロンズ

    高さ(全体)42cm、高さ(壺)31cm、幅16cm

  • 2002年、ジルベール・シャグリー夫妻の協力を得て取得

    OA 11986, OA 11987

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する