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作品 ある男(旧題アウルス・ポストゥミウス・アルビヌス)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

ある男(旧題アウルス・ポストゥミウス・アルビヌス)

© 2010 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Lepetoukha Charlotte

この老いたローマ高官の堂々としそして悲壮な肖像は以前、執政官アウルス・ポストゥミウス・アルビヌスを表わしたものとされていた。しかし今日では無名の人物のものとされている。この彫刻の自然主義的で感受性豊かな様式はオリジナル作品が制作された当時の、ローマにおける古代ギリシア文化の大きな影響を物語っている。

老人の肖像

この見事な肖像は、年齢がはっきりと感じ取られる老人のものである。というのも、彫刻家の容赦ないのみさばきは、老いの印を余すとこなく捕らえている。たるんだ筋肉、歯の抜けた口の中に巻き込まれる唇、顔の皺や首の皺がそうである。しかしながら、右方向に荒々しく顔を向けた様や、言葉を発するかに見える口などの表情豊かな特徴はこの人物像を生き生きとさせている。またそれはその尊大さと活力から、見るものに哀れみよりむしろ尊敬を抱かせる。

社会的地位を表すしるし

保存されている複製品の数の多さから、この頭像が名士を描いたものであると思われる。硬貨の肖像との比較からユリウス・カエサルのライバル、マルクス・アントニウス、又は執政官のアウルス・ポストゥミウス・アルビヌスの名が挙げられた。しかし実際にはこのどちらの仮定も満足いくものではなく、無名のままにした方がより確実である。確実に言えるのは、この人物像はローマの貴族の一員のものであることだ。というのも肖像芸術は、自分の肖像を制作させ、先祖の肖像を所持する特権を持つ、貴族の専有物であった。

古代イタリアの伝統とヘレニズムの影響

前2世紀のローマ肖像は古代イタリアの伝統を受け継いだ芸術であるが、ローマ人による地中海征服の影響により、ギリシア化した感受性に変わっていった。というのもローマがヘレニズム世界の支配を拡大するにつれ、凱旋将軍が持ち帰るギリシア美術品がローマに溢れ、それと同時に支配された側の芸術家たちは、自分たちの祖国を離れ、地中海の新しい首都ローマに向けて旅立っていったのである。
このような現象はこの肖像にはっきりと見られる。歯の抜けた口、首のたるんだ皮膚に表現される究極の写実主義は、共和政時代の肖像の特徴であり、蝋製デスマスクを制作させる習慣を反映している。しかしこの荒々しい写実主義は、ペルガモン派の悲壮美に影響された、頭の動き、筋肉の流動性、表現力の豊かさにより、崇高なものにされている。彫刻家は長い歳月のため老いた顔に、この作品をヘレニズム肖像の流れに組み込ませる要素である、情念のほとばしりを表現することに成功し、この人物に君主の風格を与えている。

出典

KERSAUSON K. de, Catalogue des portraits romains, I, Paris, 1986, n 3, p. 14.
Exposition Visages du Louvre - Chefs-d'oeuvre du portrait dans les collections du Louvre, 18 septembre-1er décembre 1991, Musée National d'Art Occidental, Tokyo, n 32, pp. 85-86.
MEGOW W.-R., "Beobachtungn zum Bildnis-Typus des sog. Postumius Albinus", Antike Porträts - zum Gedächtnis von Helga von Heintze, 1999, pp. 113-122.

作品データ

  • ある男(旧題アウルス・ポストゥミウス・アルビヌス)

    前100年作と推定されるオリジナル作品から制作された前1世紀の複製品

    ローマ

    Rome

  • パロス大理石、丸彫

    高さ36cm

  • 1888年ホフマン氏売却品より購入収蔵番号MNC 1004(常用番号Ma 919)

    N d'entrée MNC 1004 (n usuel Ma 919)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    ローマ美術 共和制時代 紀元前2‐紀元前1世紀
    展示室409

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