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作品 とげを抜く少年の仕草の奇人像

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

とげを抜く少年の仕草の奇人像

© 2004 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ヘレニズム時代のギリシア美術(前3-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

このブロンズ製小像は、何世紀もの間人々を魅了した有名な彫像の型である、とげを抜く少年を異様な形で表現している。この人物像の奇形は、ヘレニズム時代の間アレクサンドリアで誕生し、後のローマ時代大量に模倣された製品の、風変わりなさまを浮彫にしている。この作品は、おそらく護身的な徳性を持ち合わせた病的な人物像、そして現実主義が意図的に風刺と隣り合わせになる風俗の主題が得た成功を証明している。

とげを抜く少年の風刺的脚色

このブロンズ製小像は、奇妙で風刺的なとげを抜く少年の転写である。それは、フィレンツェ洗礼堂の扉のコンクールのための1402年のブルネッレスキの計画など、数世紀の間芸術家に着想を与え、魅了し続けた有名なギリシア彫像の一種である。その原型のように男は、座り上半身を傾け、その足から抜き取る棘に、集中した視線を向けている。しかし彼は、手足はか細く、やせ細った体、骨ばった筋肉、肥大した胸郭、驚くほど湾曲した背中を持ち合わせている。今日失われた風刺の原作は、前5世紀の人物像のいくつかの特徴を取り入れながら、ヘレニズム時代(前2世紀?)に制作されたと思われる。この作品の人気は、原作の型に忠実なもの、またはここで見られるように奇妙な作風で加工された、縮小版での複製の大量生産により、早くも顕著に見うけられた。しかしこれとは、反対の論理も考えられる。というのはとげを抜く少年は、小像のクラシック時代の反映であるとも思われ、芸術家たちは多様な俗的の主題をつくりながらそれらの独創性を競い合っていたとも思われる。

奇人像、奇形の人物像、病気の人物像

事実ヘレニズム時代の間彫刻家たちは、風変わりな主題、そして風刺が極端な現実と隣り合わせになる風俗の主題に特に興味を持っていた。道端の平民、老人、行商、乞食、小人、せむし、奇形の人物、病人の表現は、顧客より高く評価され、これらの人物像は、ローマ時代まで多く生産され続けた。その多くはこの作品と類似する病的な人物像であり、発育不全や突背などの特徴をもたせ多数の奇形を目立たせている。これらの中に、骨の奇形を及ぼす肺の病気であるポット病(脊椎結核)を見受けるものもいる。これらの奇人はおそらく護身的な徳性を持ち合わせていた。悪の目から身を守るという大衆の信仰より、せむしの姿はお守りの役割を果たしながら、これらの奇形像の所有者を保護する役割を担っていた。背むしは頻繁に悪魔払いを強調するための、過度な大きさの性器を身につけていた。

エジプトの作品?

アレクサンドリアは、頻繁にこれらのブロンズ製奇人像の由来となる芸術都市のように考えられ、そのことはとくに前3世紀より、いくつかのローマ時代の文献にてこの街が、身体障害者が住みつく奇跡の巣窟(薄汚い地区)のように語られている。この彫刻が下エジプトの工房で作られたことは、しかしながら仮説でしかない。というのもこれらの人物像の作風は、地中海沿岸の広範囲に普及したからである。小アジアの複数のギリシア都市と、とりわけスミルナは、ブロンズだけでなくテラコッタ製の製品の中にも、奇形の人物像を表現した。

出典

- D'après l'antique, musée du Louvre, Paris, 2000, p. 209-210, n 51.

- BOUCHER S., Recherches sur les bronzes figurés de Gaule pré-romaine et romaine, Bibliothèque des Ecoles Françaises d'Athènes et de Rome 228, 1976, p.188.

- DEVES C., "Nouvelles acquisitions. Musée du Louvre, département des antiquités grecques et romaines", in La Revue des Arts, 1959, p. 87.

作品データ

  • とげを抜く少年の仕草の奇人像

    前2世紀‐1世紀

    エジプト

    下エジプト

  • ブロンズ、無垢鋳造、線刻

    高さ6.5cm

  • 1958年コウトウラキス氏寄贈

    Br 4382

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ブロンズの間
    展示室663

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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