アテナ、通称「ヴェレトリのパラス」 | ルーヴル美術館 | パリ

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作品 アテナ、通称「ヴェレトリのパラス」

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

17世紀ヴェレトリにて発見されたこのアテナの巨像は、今日失われたブロンズ製肖像の複製品である。ローマ時代の複製品とナポリ付近のバイアにて発見された、古代複製品の破片もその面影を残している。紀元前430年に制作されたこのオリジナル作品は、通常クレシラスに帰属される。このクレタ島の彫刻家は、ペリクレスの肖像の作者である。この作品の複製品は、大英博物館に保管してあり、楕円形の顔とこの女神と同様の輪郭の鋭さが表れている。

《ヴェレトリのパラス》の稀に見る大発見の歴史

1797年修復師ヴィンチェンツォ・パチェッティは、3メートル以上の高さのこの巨像を、イタリアの小さな町ヴェレトリ付近に位置する、ローマ時代のヴィラの廃墟にて発見した。この町の名前は、その後この彫像と同種の一連の複製品を示す名前となった。この作品は女神アテナ(ローマ人はパラス又はミネルバと呼んだ)を表現し、それはその冑と、蛇により縁取られ、その中央をメデューサの頭で装飾された胴鎧のような神盾により判断できる。その後、統領政府のフランス人政府委員により買い取られ、ローマに運搬された。そしてこの彫像は1798年ナポリの軍隊に接収され、ナポリの王室コレクションに持ち込まれた。この作品は、この年の3月28日フィレンツエ条約によりフランスに帰属し、1803年12月よりルーヴル美術館に展示された。

紀元前5世紀末の作品の反映

この巨大な作品は、今日失われた同じ大きさのブロンズ製肖像を複製したものである。その複数のローマ時代の複製品は、原作の面影を残している。古代複製品の破片もまた、ナポリ付近のバイアのローマ時代の複製品制作工房を発掘している間、発見された。オリジナル作品を元に制作されたこれらの複製品は、その原作の寸法と素材の要素を確証する。この作品はおそらく紀元前5世紀のクラシック時代の間に制作された。極端に縮小された神盾、女神が身につける袖つきの丈が長いチュニカ、巨大な三角形の裾を形成し、腰の周りに襞を作るヒマティオンと呼ばれるマントは、この時代の特徴である。この作品は、この女神の堅苦しく荘厳な動作、身につけている象徴、衣紋の加工により、ペイディアスのアテナ(パルテノンのアテナやアテナ・プロマコスなど)に従属している。

クレシラスの作品?

このオリジナル作品は、時には紀元前430年から420年頃にアルカメネスにより制作された、アテナイのアゴラのへパイストス神殿の内部に設置された、宗教彫像のように認識された。しかしながらこの女神の顔の輪郭の加工より、むしろ紀元前5世紀末アテナイのアクロポリスにて活動した、クレタ島の彫刻家、クレシラスの作品に帰属する方向にある。弓形の眉、目、鼻の鋭さにより強調された整った楕円形の顔は、ペリクレスのそれに比較し得る。その冑を被った胸像は、ロンドンの大英博物館に保存してある。大プリニウス(『博物誌』34巻25章)によれば、この肖像は紀元前430年頃にクレシラスにより制作された、この軍司令官の彫像の複製品である。この作品は、アテナイのアクロポリスについて述べた、紀元2世紀の旅行者ポウサニアス(『ギリシア誌』1巻28章2節)にても引用されている。そのことから《ヴェレトリのパラス》は、クレタ島の彫刻家のオリジナル作品のローマン・コピーのように思われる。しかしこのクレタ島の彫刻家の作品がどの彫刻に着想を得たか、これが宗教彫刻であるか、どの建物に対してこのオリジナル作品が作られたか、確定するのは困難である。

出典

Papini M., Palazzo Braschi, la collezione di sculture antiche, 2000, p.36-42, fig.30.
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作品データ

  • アテナ、通称「ヴェレトリのパラス」

    ローマ皇帝時代の作品(紀元1世紀?)

    1797年ヴェレトリ付近のローマ時代のヴィラの廃墟にて発見(イタリア)

    イタリア

  • パロス大理石、丸彫

    高さ3.05m

  • 1801年3月28日のフィレンツエ条約にてフランスに帰属、1803年12月ルーヴル美術館に帰属

    Inventaire MR 281 (n° usuel Ma 464)

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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