Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>イウリア・ヴィクトリナの墓碑用祭壇

作品 イウリア・ヴィクトリナの墓碑用祭壇

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

この墓碑は10歳と5ヶ月で亡くなったイウリア・ヴィクトリナに奉げられている。この少女の姿は月と太陽の象徴を身につけ二面にわたり表されている。少女の頭上に置かれている三日月は月の領域において魂の行き場を反映している。裏側での故人は死後、太陽のような不死の祈願を告げる放射状の王冠を頂いた若い女性の姿で現れている。

個人の葬祭美術

共和政時代よりローマで最も用いられて埋葬方法は火葬であった。故人の遺灰は集められテラコッタ、ガラス又は石でできた骨壷に収められた。墓の場所は骨壷を収めた祭壇又は墓標により示された。いくつかの名家は死者を棺に納め埋葬したがしかし土葬が火葬に決定的に取って代わり棺が骨壷に代わったのは紀元2世紀に入ってからである。紀元前1世紀終わり頃大理石製の骨壷の生産は飛躍的に伸びた。それらは植物と装飾のモチーフ、そして紀元1世紀に流行した神話の主題で豪華に彫琢された。墓碑、祭壇、墓標、骨壷の装飾は公共建築にて広められた皇室図像の多数のモチーフから用いられた。実のところ個人の葬祭美術は、早急に固定化したアウグストゥス美術の公式レパートリより着想を得ている。しかしながら民衆の感性もまたローマ社会の敬愛の念を示した多数の象徴を通して表現され、題材の多様化を担っている。

イウリア・ヴィクトリナの祭壇

紀元75年から90年に製作されたこの祭壇は、ガイウス・イウリウス・サトゥル二ウスとルキラ・プロクラより彼らの娘、ルリア・ヴィクトリナの霊魂に奉げられている。墓碑の表面に刻まれた碑文は、少女が10歳と5ヶ月で早すぎる死を迎えたことを詳しく説明してある。

古代ローマ人の葬祭美術の象徴的意識

墓碑の一面には、月の領域にある魂の天上での行き場を反映する三日月を頭にのせた子供の肖像がある。その裏の故人は、放射線状の冠を頭に頂いた若い女性の姿で、成長した姿で表現されている。太陽の光線は霊魂の月での滞在後に彼女を待ち受ける太陽のような不死を示している。祭壇両側の二面は、月桂樹の枝の上にのっているカラスが彫刻されている。この柄はユリウス・クラウディウス朝の時代に個人の葬祭美術によく用いられていた。不死を意味する月桂樹は、太陽神アポロンに奉げられる常緑樹である。それは間接的に皇帝の性質を反映する。というのもアポロンはアウグストウス家の守護神であったからだ。それに月桂樹はパラティヌス丘の上にあるアウグストゥス帝の邸宅の前に植えてあった。この木はまた死後の知性を司る太陽神ヘリオスをも連想させる。カラスはアポロンに伴うもう一つの象徴である。

出典

- KLEINER D.E.E., Roman Imperial Funerary Altars with Portraits, 1987, p. 119-121, n 15.

- WREDE H., Consecratio in Formam Deorum, 1981, p. 264-265, n 183. 

- CUMONT F., Recherches sur le symbolisme funéraire des Romains, Paris, 1942, p. 243, pl. 21-22.

作品データ

  • イウリア・ヴィクトリナの墓碑用祭壇

    紀元75年から90年

    ローマ

  • 低浮彫、大理石

    高さ1.15m、幅0.7m、奥行0.66m

  • 旧カンパーナ・コレクション、1861年購入

    Cp6225,Ma1443

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する