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作品 オリンピアのゼウス神殿の西メトープ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

オリンピアのゼウス神殿の西メトープ

© 2006 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

紀元前472年から456年にかけてオリンピアに建設されたゼウス神殿の装飾は、ペルシア戦争直後のギリシア彫刻を活気付ける新しい才気を反映している。これらメトープはクレタ島の牡牛捕獲などのヘラクレスの十二の功業を描いている。この英雄は、ミノス王がポセイドンに供犠を拒否した、牡牛と格闘している様子で表されている。この人物と動物は、その時期全盛期を迎えた厳格様式の研究を証言した構成の中で勢いよく交戦をしている。

オリンピアのゼウス神殿

このメトープはモレアス(19世紀まで使用されていたペロポネソス半島のもう一つの名前)の調査隊の隊員により、1829年オリンピアにて発見されたゼウス神殿のドーリア式フリーズの彫刻破片のうちの一つである。それらはギリシア元老院によりその翌年、フランス政府に寄贈された。この巨大なゼウス神殿は紀元前472年から456年にかけてエリスのリボンという建築家により建設された。ギリシア全域から集まった複数の工房が、ペディメントとメトープ装飾計画の構想を担当したオリンピアの指導者の指揮下、装飾制作の共同制作に携わったと推測される。この巨大な工事は彫刻家に表現の場を提供しており、そこではペルシア戦争(紀元前490年から480年)直後、ギリシア美術を活気付ける新しい才気が大いに発揮されている。

ヘラクレスとクレタ島の牡牛退治

神殿の東と西の面の紀元前460年頃に制作されたメトープは、パロス大理石の高浮彫装飾、赤色装飾による明色の加筆、金属部品の付け加えがされている。この浮彫は、ゼウスの息子で、オリンピアの祭典競技の神話の創設者である、ヘラクレスの動作が描かれている。ネメアのライオン退治からアウゲイアス王の厩舎掃除までの、この英雄が成し遂げた功業が初めて、十二個の場面で現れている。このメトープは、西側の四番目のもので、クレタ島の王ミノスがポセイドンに供物として捧げるのを拒否した、白い牡牛との格闘している場を表現している。この侮辱に気を害したこの神は、この動物を狂暴化させた。いとこのエウリュステウス王にこの獣を捕獲することを負かされたヘラクレスは、その任務を果たした。彼は全力をふり絞った様子で表されている。その右腕は自らの棍棒でこの牡牛をまさに撲殺しようと振り上げられ、左手はその手中に握った鉄製の縄を使い、勢いよく頭を首の位置まで引き摺り下ろしている。

厳格主義の研究

この浮彫は厳格様式(紀元前480年から450年)の研究の最盛期を表現している。この彫刻家は、この戦いに荒々しさを表現するために、二つの交差する対角線を基準に構成を作り上げながら、空間を巧みに利用した。そのことから二つの格闘する体は、交差しそれぞれの頭はパネルの中央にて対立する。アルカイック時代(紀元前6世紀)に数多い装飾作用は、最大限簡素化された効果に場を譲っている。人物像の加工はやや変化している。というのも男性の身体はより現実的になっており、物思いにふけるヘラクレスの顔は、もはや恒例のアルカイック・スマイルはなく、この英雄の内心を反映している。体の動きは、大きく傾けられた姿勢により、前時代の重々しさから開放されている。それは、正面を向いた上半身と横を向いた顔の並列を再現しようと試みている。これらの彫刻家は同様に、浮彫から丸彫の表現技術により、それぞれの面の奥行きを演出しながら、一部の遠近法を導入し加工している。

出典

Hamiaux (M.), Les sculptures grecques, I, 2e édition, Paris, 2001, p. 111 et 118, n 106
Rolley (Cl.), La sculpture grecque. 1-Des origines au milieu du Ve siècle, Paris, 1994, p. 369-370, fig. 389

作品データ

  • オリンピアのゼウス神殿の西メトープ

    紀元前460年頃

    オリンピア、ペロポネソス半島北西(ギリシア)

    オリンピア、ペロポネソス半島北西(ギリシア)

  • パロス大理石、高浮彫、赤色絵の具の跡

    高さ1.14m、幅1.52m

  • 1830年ギリシア元老院寄贈

    ヘラクレスとクレタ島の牡牛

    MA 716

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    ドゥノン翼
    1階
    オリンピアの間
    展示室407

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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