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作品 カズラ用十字架:受胎告知、聖母のエリザベト訪問、東方三博士の礼拝

工芸品部門 : 中世

カズラ用十字架:受胎告知、聖母のエリザベト訪問、東方三博士の礼拝

© 1988 RMN / Konstantinos Ignatiadis

工芸品
中世

執筆:
Marie-Hélène de Ribou

ラテン十字形をしたこの刺繍はもともとカズラの装飾だったが、現在カズラ自体は失われている。聖母の生涯とキリストの幼年期にまつわる3つの場面を描いたものである。最下部に「受胎告知」、その上に「聖母のエリザベト訪問」、横木に「東方三博士の礼拝」が配置されている。本作品は、様式の独創性と、14世紀末にボヘミア地方の職人が到達した技術の完成度の高さを物語っている。

聖母マリアの図像

刺繍は、下から上に向かって眺めるように配置されており、「東方三博士の礼拝」が横木全体に展開してうまく収まっている。第1の場面では、下部が欠けてしまっているが、天使ガブリエルが浅く跪いてマリアに言葉をかける。その上の場面ではマリアが、数ヶ月前から妊娠している従姉妹エリザベトを訪問している。エリザベトとわかるのは、年かさらしい顔つきと、大きく丸みを帯びた腹部のためである。この2つの場面は、部屋の三次元空間を暗示する、建築を模した枠組みに収められている。横木の交差部では、寝台に腰掛けたマリアが右膝にイエスを抱いている。背後ではヨセフが打ち解けた様子で寝台に寄りかかっている。横木左側では、三人の博士が幼子の方へ進む。横木右側には、ベツレヘムの丘にいる羊飼いとその羊たちが見える。聖母の後方には、中央から開いたカーテンの上に凝った建築の天蓋がそびえている。

祭服の金刺繍

本作品の制作経緯は知られていない。カズラという典礼用の衣装に付けられていたもので、ミサを行う際にキリストの十字架をなぞるためである。幼子の姿をした神を示す中央の聖母は、聖体の秘蹟を通して、パンとワインという形で観衆にキリストの体を示す司祭自身の務めを想起させる。
カルレ5世(在位1346-1378年)が神聖ローマ皇帝に即位したため、プラハは帝国の中心都市となり、ボヘミア地方は14世紀後半、政治的にも経済的にも大きく発展した。生まれ育ったフランス宮廷と親しかった皇帝は、文化、芸術の面で重要な貢献をした。とりわけ、プラハ大学の創立や、数々の公共施設および宗教施設の建設は、この皇帝に負うところが大きい。

ボヘミア王国における国際ゴシック

14世紀後半のチェコ美術を特徴付けるのは、曲がりくねった肢体の、落ち着いて均整が取れた人物像、他とはっきり区別できる表情の優しさ、鮮やかな色調、明暗効果、および空間の絵画的統一感の追求である。そうして、いわゆる「美しい様式」または「柔らかい様式」という洗練された様式が生み出された。
技術の完成を目指したことが、装飾芸術分野での大型作品の制作につながった。刺繍技術は大きく飛躍し、刺繍ならではの手法を発展させたことで、布という素材の上で芸術上の発見を生かすことができ、絵画と比肩するまでになった。「東方三博士の礼拝」には、カールシュタインのクロイツカペレ内陣に宮廷画家テオドリヒが描いた同主題のフレスコ画との類似が見られる。一方、刺繍技法そのもの、菱形をなす金の背景、直線的なデッサン、そして場面の写実主義的な特徴から、この作品はボヘミア地方で14世紀最後の数十年間に制作されたものと位置づけられる。

作品データ

  • カズラ用十字架:受胎告知、聖母のエリザベト訪問、東方三博士の礼拝

    1380年頃

    マルタン・ル・ロワ・コレクション;遺産相続によりJ.-J. マルケ・ド・ヴァスロ・コレクション

    ボヘミア地方(チェコ共和国)

  • 刺繍、絹と金糸

    高さ1.13m、幅0.64m

  • 1961年マルタン・ル・ロワおよびJ.-J. マルケ・ド・ヴァスロより寄贈

    OA 9943

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シャルル5世の王笏
    展示室504

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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