カベケネトのシャワブティ(副葬用の小像)とシャワブティの小箱 | ルーヴル美術館 | パリ

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作品 カベケネトのシャワブティ(副葬用の小像)とシャワブティの小箱

古代エジプト美術部門 : 新王国時代(前1550-前1069年頃)

カベケネトのシャワブティ(副葬用の小像)とシャワブティの小箱

© 2001 RMN / Franck Raux

古代エジプト美術
新王国時代(前1550-前1069年頃)

執筆:
Jean-Luc Bovot

カベケネトのシャワブティとその収納箱は、1886年に、デル・エル=メディーナ(ディール・アル=マディ-ナ)に所在する、彼の父親センネジェムの未盗掘の墓から出土した。この村の職人たちは、社会的裕福さと精巧な技術を裏付けるような品質の小像をいくつか所有していた。収納箱は、下エジプトのアルカイックな礼拝堂の形を模して作られている。装飾が施されている面には、睡蓮の香を嗅いでいる死者とその妻が、豪華な衣装を身にまとい、あずま屋の下に腰掛けている様子が描かれている。様式は、地下墓室に見られる豊かな装飾と合致している。

不可欠な副葬品

カベケネトの小像は、純白の屍衣に包まれ、腕を交差させたミイラの姿という典型的な姿をしている。大きな鬘をかぶり、三つに分けられた髪の太い房は、それぞれ色の付いたリボンで束ねられている。首には、多彩色のビーズが幾重にも連ねられた幅広の首飾りを付け、両手には犂を握っている。脚部には、『日の下に出現するための書』の第6章が書かれており、一番上の行には、「真実の場所(デル・エル=メディーナ)にて正当化されたセジェム・アッシュ(使用人)、カベケネト」と記されている。漆喰と彩色が施され、膨らんだ形の蓋で開閉可能なこの木製の小箱は、下エジプトのアルカイックな礼拝堂ペル・ヌウを模した形をしており、敷板が備えられている。一面だけに図像で装飾がされており、夫婦が葦でできたあずま屋に並んで座っている様子が表され、あずま屋の上にはウジャトの眼が二つ描かれている。死者は睡蓮の花の香を嗅いでいるところで、妻のイセトと共に豪華な衣装を着用し、動物の脚の形をした椅子に腰掛けている。図像に添えられている銘文から、この2人の人物を特定することができる。

手がかりになる品々

多彩色が豊かに施され、ずんぐりした体、丹念になされた肉付け、細部表現への配慮など、このシャワブティに見られる職人の技術は、デル・エル=メディーナの様式やこの村の卓越した数々の作品を代表するものである。この作品は、父センネジェムとその息子カベケネトの家族のような、裕福な職人がいたことを示している。この家族の裕福さは、シャワブティの小箱によく反映されている。カベケネトは少なくとも4つの小箱を所持しており、それらは現在、カイロ、コペンハーゲン、モスクワ、パリの美術館で収蔵されている。様式としては、センネジェムの地下墓室の周壁に見られる豊かな装飾と同じものが用いられている。本来シャワブティは埋葬品であり、小箱には様々な意味をもつ図像の装飾がなされている。ウジャトの眼は完全なる身体を、睡蓮の花は永遠を象徴し、あずま屋はミイラ処理を施す前に遺体を安置しておく、清めのテントを連想させる。

伝統的な埋葬

デル・エル=メディーナの村では、如何なる階級の職人であっても、木やテラコッタでできた死者のミイラの姿をしたシャワブティを、埋葬用の召使いとして必ず地下墓室に置いていた。埋葬の必需品であったこれらの小像の唯一の役目は、来世で死者に課される全ての仕事、とりわけ農耕労働を死者の代わりに行うことであった。その簡素な見かけとは裏腹に、シャワブティは、食べ物の供物が不可欠である死後の宿命、階級化された農村社会、生き残るための農耕労働の義務といった思想に結び付けられる複雑な概念を表している。
デル・エル=メディーナでは、死者は皆多くて10体ほどの小像を持っており、小さな模型の棺や小箱に入れられているものもあれば、地面に直接置かれているものもあった。小像が誰のものであったかは、名と称号のみが縦一列に記された銘文や、『日の下に出現するための呪文』の第6章の形式に則って書かれた銘文から特定することが出来る。小像が持っている備品には、永遠なる義務である農耕労働に適した犂や種が入った袋などがある。

作品データ

  • カベケネトのシャワブティ(副葬用の小像)とシャワブティの小箱

    新王国時代、第19王朝、ラメセス2世治世下、前1279-前1213年頃

    上エジプト、デル・エル=メディーナ、センネジェムの墓(TT1)出土

  • 小像:石灰岩に彩色小箱:木に化粧漆喰と彩色

    小像:高さ18.90cm、幅6.30cm、奥行き3.80cm小箱:高さ30cm、幅17.80cm、奥行き18.30cm

  • 1976年に購入

    E 27148

  • 古代エジプト美術

    シュリー翼
    1階
    死者の書 副葬品
    展示室319

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
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水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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