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作品 トゥールーズの聖ルイの腕形聖遺物箱

工芸品部門 : 中世

トゥールーズの聖ルイの腕形聖遺物箱

© 2010 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
中世

執筆:
Muriel Barbier

ナポリ王ロベール・ダンジューの弟トゥールーズ司教聖ルイは、1317年に列聖された。同聖人の聖遺物を収めるための腕形聖遺物箱は、ロベール・ダンジューの妃サンチャのために制作された。これと対をなす作品もやはりルーヴル美術館に所蔵されており、中には聖ルカの聖遺物が収められている。これら半透明エナメルで飾られた2点の腕形聖遺物箱は、ナポリのアンジュー家のために制作された珍しい作例である。

注文主を明らかにする紋章

中に聖ルイの腕の骨が入っている、と銘文が明かすおかげで、この聖遺物箱の正体を確認できるが、骨自体は今日失われている。また紋章の装飾から、この腕形聖遺物箱がナポリ宮廷のために制作されたことが明らかになっている。実際にエナメルで、アラゴン、カスティーリャ、レオンの楯形紋章が描かれている。台座には、カスティーリャとアラゴンの王フェルナンド4世の未亡人ドニャ・レオノールの紋章を認めることができる。この人物は、カスティーリャのメディナ・デル・カンポを創設し(1418年)、この都市では聖ルイと聖ルカの聖遺物の寄進者とされていた。1888年には、この2点はまだ同修道院にあったが、19世紀末に分散し、聖ルカの腕形聖遺物箱がルーヴル美術館に入った1984年、再び1ヶ所にまとめられた。この2作品はこうした経緯で、ロベール・ダンジューの妃サンチャ・ディ・マジョルカのためにナポリで制作されたのである。

制作年代を明らかにする素材と技法

トゥールーズの聖ルイの腕形聖遺物箱は、水晶〔ロッククリスタル〕の円筒からなる。これは1336年にナポリの商人から購入されている。水晶は、銀地にエナメルをほどこしたバットレス〔控壁〕とピナクル〔尖塔〕という、非常に建築的な構成をもつ銀の金具に嵌め込まれている。八角形の台座は、銀地浅浮彫りの上を半透明エナメルで覆ってある。この技法は、あらかじめ毛彫りや透かし彫りをほどこした金または銀の薄板に、半透明エナメルをほどこすものである。焼成後、半透明エナメル層のおかげで浮彫りは見える形で残る。この技法の最古の例はイタリアのシエナに見られ、14世紀にイタリアで発展し広まった。腕形聖遺物箱の仕上げには、祝福を与える聖ルイの右手がつけられ、薬指には指輪が1つ嵌められている(なくなった司教の指輪の代わりに、スピッツァー夫人によって加えられた)。この手はしっかりと形作られており、掌は肉付きがよく皺が刻まれている。こうした傾向は13世紀末と14世紀初めの金属芸術に特徴的なもので、丸彫り彫刻への意欲を示している。

イタリアの金銀細工とナポリ宮廷

アンジュー家の王たちはナポリ宮廷で、イタリア人とフランス人の金銀細工師を雇っていた。イタリア人、とくにシエナ出身の金銀細工師は、この分野に微妙な色調を用いる革新的な技術を導入した。それはトゥールーズの聖ルイの腕形聖遺物箱にも見られ、サファイアブルー、エメラルドグリーン、黄金色そして紫で構成される。この腕形聖遺物箱は、シエナで修業を積みナポリで活動した金銀細工師の作品の中でも、特に見事なものである。

出典

Gaborit-Chopin Danielle, "Le bras-reliquaire de saint Luc au musée du Louvre", in Antologia di Belle Arti, n 27-28, 1985.
Nouvelles acquisitions du département des objets d'art 1980-1984, exposition au Louvre, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1985.

作品データ

  • トゥールーズの聖ルイの腕形聖遺物箱

    1336-1338年、15世紀(指輪)

    スペイン、カスティーリャ地方、メディナ・デル・カンポ

    イタリア、ナポリ

  • 銀に金鍍金、銀地浅浮彫りに半透明エナメル、不透明エナメル、水晶〔ロッククリスタル〕

    高さ63cm、幅(下部)20.5cm

  • 1891年スピッツァー夫人より寄贈

    OA 3254

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャンヌ・デヴルー
    展示室503

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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