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作品 パエストゥム赤像式レカニス

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

パエストゥム赤像式レカニス

© 2009 Musée du Louvre / Daniel Lebée et Carine Deambrosis

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Marmois-Sicsic Sophie

紀元前4世紀中期と推定され、アステアスに帰属するこのレカニスは、その蓋が神話の主題で装飾された見繕いの道具である。そこにはアポロンとサテュロスのマルシュアスの間の音楽コンクールが描かれている。

アポロンとマルシュアス

レカニスの蓋の上には、この種の品には滅多に描かれる事の無い主題が選択されている。それはアポロンとサテュロスのマルシュアスの間の音楽コンクールである。フリギアのセイレン、マルシュアスは、ダブルフルート(アウロス)の発明者のようにみなされている。自分の発明とその楽器が放つ音色に自身を持った。そしてその笛を持つ自分は、竪琴を持つアポロンよりも優れた音楽家だと自負し彼に挑戦を挑んだ。しかしマルシュアスはアポロンに敗退し、その後、木に吊るされた。この構図は蓋を一周するフリーズの形で展開する。白色で描かれた小さな建物は、おそらく神殿を示し、装飾の域にある月桂樹の枝はアポロンを象徴する木を表現している。アポロンとマルシュアスは、岩の上に座りそれぞれ各自の楽器を演奏している。マルシュアスは獣の皮とブーツを履いている。アポロンは、多彩な柄で装飾された袖の長いチュニカとヒマティオンといった豪華な装いで、キタラを奏でている。二人の敵対者は、優美な姿勢で岩の上に座り、多彩な品々を持つ三人のムーサに伴われている。あるムーサはキタラを演奏する神の傍に座り、もう一人は、化粧小箱を今にも開けようとしており、三人目は、竪琴を持っている。彼女たちは、キトンとヒマティオンをまとい宝石を身につけている。これらの女性像は、この種の見繕い道具に伝統的に表現された女性の世界を持ち合わせている。

レカニス

レカニスは、把手が付いた広口とつまみ付きの平らな蓋により構成され、頻繁に植物の柄で装飾されている。この女性の見繕い品の小道具は、とりわけ南イタリアやシチリア島で生産された。このレカニスは、その大きさとその保存状態により希少なものとされる。通常、画家は女性の世界に関連した装飾を選択するか、女性の頭部をレカニスに描く。しかしアステアスは、陶器にて稀に表現される神話の主題を選択する事により、この作品を独創的なものにした。付属的な装飾は、レカニスの構図をはっきりさせる。それは箱の端にある月桂樹の葉でできた輪と、蓋の端に描かれた波打つフリーズである。

パエストゥム陶器

旧ポセイドニアのパエストゥムはシュバリスのギリシア人により、紀元前600年に創設された。この都市は、ナポリの南、現カンパーナ州とバジリカータ州の境に位置した。パエストゥムの壺の生産は紀元前380年頃、シチリア島の陶工と画家の影響下開始された。それは、一定の質と見分けの付く様式により特徴付けられる。その様式は、アステアスと彼の弟子ピュトンの、二人のサインにより知られた巨匠とともに、紀元前4世紀の間、顕著に表れていた。アステアスは、その名を重要な大型壺に絵の具、または線刻で記したサイン(アステアス・エグラフェ)で知られる、パエストゥムの画家である。紀元前4世紀第2四半世紀の間、彼はとくにアンフォラやクラテルなどを生産しながらパエストゥム様式の特徴を確立していった。それは多様な形の小型の壺にも及んだ。彼はピュトンと共に、見分けが付く様式であるパエストゥム陶器の巨匠のうちの一人であった。その様式は、丸い頭のどっしりとした人物、扇形の半分のパルメットで囲まれた、多色で引き立たせられた構成を特徴としている。その主題は悲劇や喜劇、そして頻繁にディオニソスの世界に着想を得ている。このレカニスにアステアスは、劇的な場面を前兆する、静かで穏やかな雰囲気の中のアポロンとマルシュアスを表現している。

出典

- DENOYELLE  Martine, Chefs-d’œuvre de la céramique grecque, Éditions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 1995, p. 176, n° 83.

- PAQUETTE Daniel, L’Instrument de musique dans la céramique de la Grèce antique : études d’organologie, Lyon, Bibliothèque Salomon Reinach ; Paris, diffusion de Boccard, 1984, pp. 126-127, n° c 47.

作品データ

  • アステアス

    パエストゥム赤像式レカニス

    紀元前360年から350年頃

    イタリア(?)

    パエストゥム(ギリシア都市:ポセイドニア、南イタリア)

  • 陶土、赤像式

    高さ20cm、幅41.60cm、直径30.50cm

  • デュラン・コレクション、1825年収蔵

    K 570

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    ギャラリー・カンパーナV 赤像式ギリシャ陶器 紀元前5世紀末‐紀元前4世紀
    展示室651

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