Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>フィレンツェのゴンディ家の紋章入りの皿

作品 フィレンツェのゴンディ家の紋章入りの皿

工芸品部門 : ルネサンス

フィレンツェのゴンディ家の紋章入りの皿

© Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

工芸品
ルネサンス

執筆:
Brigitte Ducrot

この皿の装飾は、中央にあるフィレンツェのゴンディ家の紋章を中心として、白の地全体を覆う、繊細な金色のブドウの葉模様の同心円状の網目からなる。装飾の構成、そしてその技法から、この作品は名高いスペイン=ムーア陶器の作品であることを示している。この「リュストレ(釉を引いてつや出しをした)」と呼ばれるファイアンス陶器は、金属製の食器類を模倣するものであり、それは地中海世界全般に伝播していた、東洋のイスラム世界の古い伝統を受け継ぐものである。

ゴンディ家の食器セット

15世紀を境に、名家、特にイタリアのそれは、スペインに、数点からなる揃いの、食器セットを注文するようになる。それら食器類の装飾は、常に中央に施された盾形紋地の紋章を中心に展開するものであった。この大皿においては、X字に配置された2本の紺青色の槌矛が、コバルトブルーの線に強調される、イタリア風の盾形紋地は、ナポリのアラゴン王族の近臣であったジュリアーノ・ゴンディ(1421-1501-1510年)の紋章であると確認されている。これと同じ紋章は他の作品にも施されており、それらはパリのクリュニー美術館や、イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、大英博物館、ケンブリッジ美術館に保存されている。

非常に豊かな装飾

中央の紋章の周りに配置された装飾は、おもに、同心円状の一帯の表面全体を覆う繊細なブドウの葉模様の反復から構成されている。これらの形が似ていることから「パセリの葉」と呼ばれる模様、そして「ゴギツルの花」からなる草模様は、スペイン=ムーアと呼ばれるファイアンス陶器でもっともひろく用いられる装飾で、15世紀をとおして一般的に受け継がれていた。この非常に特徴的な、名高いスペイン製の食器類にしばしばあるように、裏面にも全体的に、釉をひいてつや出し加工が施されている。大きな鷲印の紋章が白地に浮き立つのに対し、内側の縁とへりは渦巻き唐草模様と小花模様が交互に飾っている。

つや出し加工のファイアンス陶器

金属的な輝きを持つ陶器、またはつや出し加工のファイアンス陶器の初期の制作は、アッバース朝イラクの時代に、9世紀に一時的な首都であったサーマッラーにおいて始まった。金属の輝きを再現するつや出しラスターは、金属性塩(銅、銀)を低温で定着させることにより得られる。この、高価で困難な技術は、アラブ世界との接触をとおしてスペインに導入された。このつや出し陶器は、12世紀から13世紀頃に、マラガ、グラナーダといったいくつかの陶工業の中心地で制作され、その後バレンシアの郊外のマニセスに導入される。14世紀末にはマニセスはスペインで最も重要なつや出し陶器制作の中心地となる。この高価な陶器は、大部分が輸出のために制作され、まれに見る発展を遂げる。マニセスのファイアンス陶器の装飾の評判は、やがて質が落ちていったものの、17世紀まで続くことになる。

出典

Migeon G., Musée du Louvre. L'Orient Musulman, Ed. Albert Morancé, 1922 (Documents d'art), p.50, n 268.
Louvre. Guide du visiteur. Les Objets d'art. Moyen-Age et Renaissance, R.M.N., 1994, p.72.

作品データ

  • スペイン‐マニセス

    フィレンツェのゴンディ家の紋章入りの皿

    1450年頃

    バレンシア、マニセスの工房(スペイン、カタロニア)

  • つや出しファイアンス陶器

    直径44cm

  • 1892年、ジャン=レオンス・ルルーの遺贈

    フィレンツェのゴンディ家の紋章入りの皿

    OA 4034

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ヴァランスの廊下
    展示室505

来館情報

ルーヴル美術館、チュイルリー庭園、クール・カレは、新たな通達があるまで休館・休園いたします。
美術館のチケットをオンラインでご購入された方々には、自動で返金処理が行われます。返金に当たり、特にお手続きをしていただく必要はございません。
なお、返金処理数が膨大なため、ご返金まで三か月ほどかかる場合があります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

チケットを購入する