Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>ポン・ヌフのアンリ4世騎馬像台座由来の4体の《捕虜》(1614—18年

作品 ポン・ヌフのアンリ4世騎馬像台座由来の4体の《捕虜》(1614—18年)

彫刻部門 : 17-18世紀のフランス

ポン・ヌフのアンリ4世騎馬像台座由来の4体の《捕虜》(1614—18年)

© 2011 Musée du Louvre / Thierry Ollivier

彫刻
17-18世紀のフランス

執筆:
Montalbetti Valérie

この素晴らしい等身大の《捕虜》のブロンズ像は、パリのポン・ヌフに立てられた王アンリ4世騎馬像の台座の四隅に置かれていたものである。両腕は背中で固く縄で結わえられ、体を伸ばし神経質に、武器の束の上にやっと均衡を保って腰かけるこれら像は、晩年のマニエリスム様式を見事に表している。

政治的象徴

容貌の多様さが見事なこれらの《捕虜》像は、言わば王が制覇する地域を象徴するもので、世界の中の、鎖に繋げられた四つの地域を具現化している。亀の甲羅に寄りかかる捕虜はアフリカを象徴し,故に南を意味する。豊かな髭の老いた捕虜は、古代の野蛮人にも似ることから、北方の国々を表すのであろう。髭の無い若い捕虜から老いた捕虜まで、これらは人間の年をも象徴する。
《捕虜》の表現は、ローマ時代の勝利賞賛芸術(ローマで行われた勝利の将軍への表敬儀式)の中で多いに広まり、その後またルネッサンス期にトスカーナ地方で、イタリアの王子の栄誉を讃える為に(リヴォルノ、ピエトロ・タッカ作トスカーナのフェルディナンドの記念碑)取り入れられたモチーフと再度結びつく。

フランス最初の王の騎馬像

1604年頃、フランス女王のマリー・ド・メディシスは夫アンリ4世の栄誉を讃える騎馬像を立てることを決意する。女王は、フィレンツェでトスカーナの大公爵コジモ1世とフェルディナンド1世(女王の親)の記念碑を制作したアーティスト、ジャン・ド・ボローニュにそれを依頼する。
1608年にジャン・ド・ボローニュが亡くなった為、彼の弟子のピエトロ・タッカが完成させ、立像は1613年にパリまで運ばれる。女王は、フランクヴィルにその台座の制作を依頼した。この彫刻家もジャン・ド・ボローニュの優秀な弟子で(彼と同様フランドル地方出身)、1606年頃アンリ4世によってパリに招かれ、パリに住んでいた。彫刻家は、1615年に亡くなる前に、台座の3枚の薄浮彫の制作と《捕虜》のモデリングを手がけた。彼の弟子で娘婿のフランチェスコ・ボルドーニが、彫刻の鋳造と見事な彫金仕上げをし、1618年に完成となった。

優雅なマニエリスム

《捕虜》は対になるように置かれ、互いに見つめ合い、その態度は複合的な線で答えあう。伸ばされたカノンと体の捻りがうねうねとした曲線を作り出す。座っているにもかかわらず不安定な体の位置、気取った態度,削り込みの繊細さにより一層理想化された姿は、優雅な後期マニエリスムの特徴であり、フランクヴィルとボルドーニがトスカーナ地方からフランスに導入したものである。大革命期の1792年にこのモニュメントは破壊されるが、唯一《捕虜》像のみが其の「フランスの古代初期を讃えた繊美で軽やかなデッサン」を理由に破壊から免れた。

出典

- BRESC-BAUTIER Geneviève, "Henri IV au Pont-Neuf, Art ou politique ? Arcs, statues et colonnes de Paris", in DAVP, 1999, pp. 36-41.

- BEYER Victor, BRESC-BAUTIER Geneviève, La Sculpture française du XVIIe siècle au musée du Louvre, Bergame, Grafica Gutenberg, 1977, Paris, 1977, n. p.

- Chefs-d'oeuvre du musée du Louvre. Bronzes de la Renaissance à Rodin, catalogue d'exposition, Tokyo, New York, Metropolitan of Art Museum, 1988, pp. 228-229.

- Emblèmes de la libertés, catalogue d'exposition, Berne, musée d'Histoire et musée des beaux-arts, 1991, pp. 212-213.

- FRANCQUEVILLE Robert de (Comte), Pierre de Francqueville. Sculpteur des Médicis et du roi Henri IV, 1548-1615, A. et J. Picard et Cie, Paris, 1968, pp. 78-85.

作品データ

  • ピエール・フランクヴィルフランチェスコ・ボルドーニ

    ポン・ヌフのアンリ4世騎馬像台座由来の4体の《捕虜》(1614—18年)

    1614年頃フランクヴィルが制作し、1618年に娘婿のボルドーニが鋳造し彫金仕上げをした作品。

    パリ,ポン・ヌフ

    パリ

  • ブロンズ(蝋型鋳造)

    MR 1668 : 高さ1.60m、幅0.64m、奥行き0.56mMR 1669 : 高さ1.55m、幅0.77m、奥行き0.65mMR 1670 : 高さ1.57m、幅0.66m、奥行き0.7mMR 1671 : 高さ1.55m、幅0.66m、奥行き0.76m

  • 1792年8月のアンリ4世記念碑破壊を免れた唯一の断片、ルールでの保管後、ネルで保管、1803—1816年フランス記念物博物館、1817年4月8日省決によりルーヴル美術館収蔵

    M.R. 1668, M.R. 1669, M.R. 1670, M.R. 1671

  • 彫刻

    リシュリュー翼
    1階
    フランクヴィル
    展示室216

来館情報

ルーヴル美術館、チュイルリー庭園、クール・カレは、新たな通達があるまで休館・休園いたします。
美術館のチケットをオンラインでご購入された方々には、自動で返金処理が行われます。返金に当たり、特にお手続きをしていただく必要はございません。
なお、返金処理数が膨大なため、ご返金まで三か月ほどかかる場合があります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

チケットを購入する