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ルイ14世の肖像

© 2005 Musée du Louvre / Peter Harholdt
工芸品
17世紀
鋳造板ガラスの楕円形メダイヨンは、ルイ14世の側面観胸像を表している。まず板ガラスを制作する技術の開発が進められた。この非常に珍しい作品は、ルイ14世時代に活躍したオルレアンのガラス工芸の親方ベルナール・ペロ(1638−1709年)が制作した。このメダイヨンはフランスのガラス工芸の傑作であり、絶頂期にあった君主を讃えるものである。同王はフランスの工芸が完成の域に達することを望んでいた。
オルレアンのイタリア人ガラス職人
ベルナール・ペロはもとの名をベルナルド・ペロットといい、16世紀にジェノヴァ地方北部からフランスに移住したイタリア人ガラス職人一家のひとつに属していた。こうして高級ガラス工芸は、16世紀第4四半期にイタリアから来たガラス職人によってフランスへ導入された。イタリアの父親の工房で技術を身につけた後、ペロはヌヴェールにいた叔父ジャン・カステランのもとに加わった。早くも1662年、ベルナール・ペロはオルレアンにガラス工房を開いており、ロワール川沿岸という立地条件の良さから、多くのイタリア人ガラス職人が集まることになる。「ヴェネツィア流」のガラス制作を続けていたペロのガラス工芸には、ロワール川沿岸で30年間営業できる特権が与えられ、1672年にはこの特権の範囲がフランス全土に拡大されている。
板ガラスの鋳造
特権獲得のきっかけとなったペロの大発明は、板ガラスの鋳造技法である。これは決定的に近代的な製法であり、伝統的な吹きガラス技法は廃れ、ガラス製造に大きな刺激を与えた。これは平らな板の上に溶けたガラスを流し、長方形もしくは方形の板ガラスを制作するものである。この製法がサン=ゴバン製作所(1695年、同名の町に開設された)の始まりにつながり、同製作所幹部はペロの発明を手に入れたため、ペロはそれを独占することができなくなった。
ガラスの肖像
この技法によって古代のカメオのような装飾用の肖像を制作することも可能になった。製法としてはまず、浮彫を施したおそらく石膏製の型の上にガラスを厚く流し込む。冷却後、型の窪みにブロンズに似せた厚い金めっきを施す。出来上がった作品の表面は滑らかだが、透明なガラスを通して浮彫があるように見える。《ルイ14世の肖像》はこの技法で制作されている。形は楕円形だが、メダルのように側面観の君主を表している。この技法で制作されたルイ14世の肖像が何点か知られている。オルレアネ歴史美術館(オルレアン市)所蔵の1点、サン=ゴバン社所蔵の1点があるほか、3点目は1976年に売りに出されて知られるようになった。
出典
- Nouvelles Acquisitions du département des Objets d'art (1990-1994), Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1995, pp. 110-111.作品データ
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Bernard PERROT
ルイ14世の肖像
1685年頃
フランス、オルレアン
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ガラス、古色を帯びさせたブロンズの金具(近代)
高さ37cm、幅30.5cm、厚み1.5cm
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1993年、本田・フランスより寄贈
OA 11378
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リシュリュー翼
2階
ソヴァジョ
展示室518
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