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レカミエ夫人のサロン

© 1995 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
19世紀

執筆:
Barbier Muriel

この椅子一揃いは、パリのセーヴル通り、アベイ・オ・ボア修道院内のレカミエ夫人の住居にあった。おそらくパリのモン・ブラン通りにあったレカミエ館の、ジュリエット・レカミエ(1777‐1849年)の一サロン用に制作された。この館周辺は19世紀初頭当時、流行の最先端を行く地区だった。これらジャコブ兄弟の作とされる家具は、19世紀初頭の調度を特徴付けるものである。

古代風の椅子

このサロンは 寝椅子、大型安楽椅子一対、肘掛け椅子一対、椅子一対、スツールで構成される。 寝椅子には、古代の長椅子の形が取り入れられ、ブロンズ製かと見紛う古色を帯びた脚がついている。前脚は手すり子の形、後脚はエトルリア風である。この寝椅子には、古色を帯びさせた木製の、先がライオンの鼻面になった渦巻きを描く背もたれが2つあるが、この装飾も古代の調度を想起させる。ジャック=ルイ・ダヴィッドの描いた肖像(ルーヴル美術館絵画部門所蔵)の中で、ジュリエット・レカミエはこれとよく似た寝椅子でポーズをとっているが、ダヴィッドが自分のアトリエの用にあえてジャコブに作らせたに相違ない。その他の椅子の脚も同様に、後脚はエトルリア風、前脚は手すり子の形である。椅子にもライオンの鼻面が見られ、安楽椅子と肘掛け椅子の肘掛けの支えは、後ろ脚で立つ有翼の女のスフィンクスの形をしている。これはジャコブ兄弟がしばしば用いたモチーフである。X形の脚をもつスツールの方は、脚の先がライオンの脚になっており、古代ローマの椅子を思い起させる。

素材の効果

1791年のル・シャプリエ法により同業者組合が廃止されて以来、高級家具職人と指物師は指物用木材と化粧用木材を区別なく使用できるようになった。こうして19世紀初頭には、それまでは指物の領域にあった家具に、高級家具の各種技法が見られるようになる。レモンの木(サテンウッド)とカイエンヌ産マホガニーで化粧張りされたこの一揃いも、その一例である。椅子の腰部分と竪木では、レモンの木の化粧板がカイエンヌ産マホガニーの縁取りで引き立てられている。この家具には、この一揃いを描いた現存する絵からわかるように、青の薄い綾織り布が張られていた。つまり形はきわめて簡素だが、鮮やかに彩られた家具だった。

後代の来歴が比較的よく知られる家具

もともとこの家具がレカミエ館にあったというのは推定だが、一方これらが銀行家の夫ジャック=ローズ・レカミエの没後、レカミエ夫人と共にパリのセーヴル通りにあるアベイ・オ・ボア修道院にもたらされたことは確かである。事実、1826年にフランソワ=ルイ・ドジュインヌがジュリエット・レカミエの寝室を描いた水彩画には、これらの椅子の一部が認められる。1848年には画家オーギュスト=ガブリエル・トゥードゥーズがレカミエ夫人のサロンの様子を描きとめており、そこには同じ家具の他の部分が見える。やはりルーヴル美術館が所蔵するレカミエ夫人の寝室の家具と合わせ、このサロンの調度は19世紀初頭の 家具がいかに 優雅であったかを伝える。

出典

- Nouvelles acquisitions du département des Objets d'art (1990-1994), Paris, RMN, 1995, pp. 223-226.

作品データ

  • ジャコブ兄弟推定の作とされる

    レカミエ夫人のサロン

    1800年頃

    パリ、レカミエ館

    フランス、パリ

  • 胡桃材の骨組み、サント・ドミンゴ産のサテンウッドとカイエンヌ産マホガニーの化粧板、サテンウッド無垢材、塗装した胡桃無垢材

    肘掛け椅子 : 高さ89.5cm、幅57.5cm、奥行き59cm椅子 : 高さ85cm、幅 47.5cm、奥行き35cmスツール:高さ44.5cm、幅50cm、奥行き41cm寝椅子 : 高さ0.78m、幅0.60m、奥行き1.70m大型安楽椅子一対 : 高さ84cm、幅62.2cm、奥行き62cm

  • 1994年、ヴィクトール・パストール夫妻より寄贈

    寝椅子、大型安楽椅子一対、肘掛け椅子一対、椅子一対、スツール

    OA 11383, OA 11384, OA 11385, OA 11386, OA 11387, OA 11388, OA 11389, OA 11390, OA 11391

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャコブ兄弟
    展示室557

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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