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作品 十字架の装飾板4点:《祝福を与えるキリスト》、《聖マルコ-アブラハムの犠牲》、《ケルビム-ヘラクリオスとコスロエス》、《聖ルカ-アブラハムとメルキゼデク》

工芸品部門 : 中世

十字架の装飾板4点:《祝福を与えるキリスト》、《聖マルコ-アブラハムの犠牲》、《ケルビム-ヘラクリオスとコスロエス》、《聖ルカ-アブラハムとメルキゼデク》

© 1996 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
中世

執筆:
Marie-Cécile Bardoz

鍍金された銅にエマイユ・シャンルヴェ(生地彫り七宝)をほどこした4点の装飾板は、1160-1170年頃に制作されたモザン派(中世にライン川およびムーズ川流域に発達した美術)の十字架の両面を飾っていた。そのうち3点は、十字架の表の横木を構成し(中央に《祝福を与えるキリスト》、両側に《聖マルコ》と《聖ルカ》)、《ヘラクリオスとコスロエス》の装飾板は裏面を飾っていた。同十字架の他の装飾板は、ドイツのケルンおよびシュツットガルトの美術館、そしてナントのドブレ美術館が所蔵する。

《祝福を与えるキリスト》の装飾板

正方形の装飾板は、ポリクロミー(多色彩色法)による小花模様の装飾帯で縁取られている。中央にはキリストの胸像が描かれ、両脇には、キリストがすべての始まりと終わりであることを象徴するアルファとオメガが見える。キリストは十字架のついたニンブス(頭光)を伴い、右手で祝福を与え、左手には本を持つ。その見開きには、「PAX VOBIS」(汝に平和を)という銘文が読める。この装飾板では、人物の姿全体にはエマイユ・シャンルヴェを、ニンブスの十字架や衣、顔の細部にはエマイユ・クロワゾネ(有線七宝)の技法を組み合わせてある。

両面に装飾のあるモザン派の十字架に由来する装飾板

取り付け用の穴が4つ開いていることから考えて、この装飾板は両面に装飾のある十字架の中央を占めていたに違いない。ルーヴル美術館が所蔵する他の装飾板3点は、これと同様の技法で制作され密接な関係を示しているが、これらも同じ十字架の両面に取りり付けられていた。表には、この《祝福を与えるキリスト》の装飾板に加えて、《聖マルコ-アブラハムの犠牲》(MRR244)、《聖ルカ-アブラハムとメルキセデクの出会い》(MRR2677)があった。裏面には、旧約聖書を出典とする別の場面が表されていた。その中には《ケルビム-ヘラクリオスとコスロエス》(MRR245)が含まれており、これはキリストの受難を予示している。

ウィバルト・ド・スタヴロによる一連のメセナ(文芸保護)

これらの作品は、スタヴロの修道院長ウィバルト(1130-1158)の時代に位置づけられるものである。この人物は2人の皇帝のロタール3世(1125-1137年)とコンラート3世(1138-1152年)顧問であり、彼らのために外交使節を務めた。ウィバルトは文芸を保護し、そのおかげでスタヴロの三連祭壇画(ニューヨーク、ピエポント・モーガン図書館所蔵)を始めとする、モザン派のエマイユ・シャンルヴェ作品の一級品が制作された。ウィバルトは中世の職人のうちでも特に名高い金銀細工師「G」を雇っているが、この「G」は、ゴッドフロワ・ド・ユイと同定される人物で、1174年に死亡している。繊細な色合いと優美な線をもつ4点の装飾板は、その古典主義的な作風からこの流れの中に位置づけることができ、おそらく1160-1170年頃の作と思われる。

出典

- DURAND Jannic, Au département des Objets d'art du Louvre, une plaque centrale de croix mosane du XIIe siècle représentant le Christ bénissant, La Revue du Louvre, 5/6, 1996, pp. 48-53.

- Christ bénissant, in L'Objet d'art de la saison, n° 1, 1997.

作品データ

  • 十字架の装飾板4点:《祝福を与えるキリスト》、《聖マルコ-アブラハムの犠牲》、《ケルビム-ヘラクリオスとコスロエス》、《聖ルカ-アブラハムとメルキゼデク》

    1160-1170年頃

    ムーズ川流域

  • 鍍金をほどこした銅にエマイユ・シャンルヴェ(生地彫り七宝)およびエマイユ・クロワゾネ(有線七宝)

    OA11830 :高さ7.2cm、幅7.2cmMRR244:高さ7.5cm、幅14.9cmMRR245:高さ7.5cm、幅14.9cm

  • OA11830 :エッティンゲン・ヴァレシュタイン・コレクション旧在、1996年収蔵MRR244とMR245:レヴォワル・コレクション旧在、1828年収蔵MR2677:デュラン・コレクション旧在、1825年収蔵

    OA 11830

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    シュジェール
    展示室502

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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