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嗅ぎ煙草入れ

© 2007 RMN / Jean-Gilles Berizzi

工芸品
18世紀:ロココ

執筆:
Barbier Muriel

金、エメラルド、ダイアモンドだけでできた当作品は、保存されている外交用の嗅ぎ煙草入れの数少ない例の一つである。蓋の内側には、ジュネーヴ市の代表であったルイ・ル・フォール(1668-1743年)にこの品を贈った本人の、ルイ15世の肖像のミニアチュアがある。そのやんごとない由来はさることながら、当作品は、そのロカイユ様式の初期に特有の、装飾や形状において、傑出している。

ルイ15世様式の形状と装飾

この嗅ぎ煙草入れは、全体的に曲線的な形状をもち、正面のパネルの位置には、浅浮き彫りで太陽が表わされ、その光線は、交互に、金鍍金と、56個のダイアモンドと26個のエメラルドの飾りが施されている。そのパネルの周りにはまた他の光線が、むら雲に交じって広がっている。これらの装飾は、変化する光沢の効果を与える、サブレ(砂をまいたような)地の上に際立っている。受け床は、彫金でブドウの枝模様や、花模様、帯模様が走るフリーズが施され、同じ装飾がサブレ地にも使われている。受け床の前面には、大きなダイアモンドがはめ込まれた貝殻形模様のカルトゥーシュ(楕円形の花枠装飾)が施されている。王家の太陽の周りには、豪華な材料や、曲線を描く輪郭をもつ形状、そして自然主義的な描写の装飾が、生まれつつあるロカイユを思い起こさせる。ゴヴァエールは18世紀前半において、最も高く評価されていた金銀細工師の一人であった。確かに、この嗅ぎ煙草入れにおいては、その彫金技術の洗練や、宝石の使い方の非常に高度な技術に感心させられる。

ルイ15世の肖像

当作品には、蓋の裏に、鎧を身につけ、白百合の紋章入りのエゾイタチの毛皮のマントをはおった、若いルイ15世の胸像の肖像画が、水晶板の下に張り付けられている。この、ここでは少年時代が表わされたルイ15世の肖像は、王御用達のミニアチュア専門画家で、王の賜物部の出入り職人であった、ジャン=パティスト・マセ(1687-1767年)の作品であるとされている。マセは、ここで、ジャン=パティスト・ヴァン・ロー(1684-1745年)の肖像画を基にした、ニコラ・ド・ラルムサン4世(1684-1755年)作の版画を、裏返しに摸写した、非常に優れた作品を制作している。この絵は、他の嗅ぎ煙草入れにも複写が使用されており、その中の一つは同じくルーヴル美術館に保存されている。そちらの作品では、若い王の肖像画は、マリー・レクズィンスカの肖像画に伴われている。

外交用の贈り物

受け床の縁には、次のような文句が書かれている。「1727年王ルイ15世から市民代表ルイ・ル・フォールに与えられる」。おそらくル・フォールが1727年に、フランスとジュネーヴの間で進行中であった様々な書類について、話し合いをするのに、フランスの外務大臣に会うために訪問中であった、パリに滞在した際に、贈り物として受け取ったのだろう。この作品は、よって、現存する数少ない、外交用に使われた嗅ぎ煙草入れの一つである。ゴヴァエールは早くから、若いルイ15世と王室から庇護を受けていた。そうして、1725年と1736年の間に、彼は王の賜物部に、多くの嗅ぎ煙草入れを納入し、-この作品がそうであったように― ルイ15世はそれらを外交用の贈り物として贈呈していた。

出典

- GRANJEAN Serge, Catalogue des tabatières, boîtes et étuis des XVIIIe et XIXe siècles du musée du Louvre, Paris, Éditions de la Réunion des musées nationaux, 1981, pp. 111-112.

作品データ

  • ダニエル・ゴヴァエール、通称グエール (1717年―1754年以前)、ジャン=パティスト・マセ(伝)(1687-1767年)

    嗅ぎ煙草入れ

    1727年

    ルイ15世が1726-1727年のジュネーヴ市代表ルイ・ル・フォールに贈る1962年まで遺族が保管

    フランス、パリ

  • 彫金された金、エメラルド、ダイアモンド

    高さ2,8cm、幅8,2cm、長さ6,2cm.

  • 1962年、ジャン=ポール・ゲッティーが寄贈

    OA 10196

  • 工芸品

    ドゥノン翼
    2階
    アポロンのギャラリー
    展示室705

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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作品の補足情報

署名(印刷):Gouers à Paris後期の書き込み:Donné par le Roi Louis XV au syndic Louis Le Fort 1727"(「1727年王ルイ15世から市民代表ルイ・ル・フォールに与えられる」).