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小型円卓

© 1999 RMN
工芸品
17世紀
このテーブルは、大きな斑岩板と、4体の子供の胸像柱を象り金箔を張った木製の脚からなる。テーブル板は王の財務長官ニコラ・フーケのものだった。脚は、王がフーケのコレクションを手に入れた後にフィリップ・カフィエリが制作した。ルイ14世時代の家具は、同時代に金属を溶かされたり、18世紀に売却されたりしたため、わずかな数しか現存しない。従ってこのテーブルは、太陽王の調度を伝える数少ない品である。
ゴブラン製作所の工房
ルーヴル美術館所蔵のテーブルは、ニコラ・フーケのコレクションに由来するテーブル板を用い、パリのゴブラン製作所で制作された。ここには様々な工房と同業者集団が集められ、画家シャルル・ル・ブラン(1619−1690年)が総監督を務めていた。織工や金銀細工師がおり、宝石細工や高級家具の工房があった。ルイ14世治下には、家具職人ドメニコ・クッチの指揮のもと職人たちが一丸となって、堂々たるキャビネットの制作に当たっていた。クッチ、ピエール・ゴールあるいはアンドレ=シャルル・ブールといった家具職人と同様、彫刻家もルイ14世時代の新様式の創造に大いに貢献していた。もっともこの様式の傾向は、なによりもまずシャルル・ル・ブランに負っている。
フィリップ・カフィエリ
フィリップ・カフィエリはイタリア出身で、ある一世代の彫刻家たちの祖と見なされる。この人物は長い間、ルイ14世にとりわけ重用された装飾彫刻家のひとりだった。カフィエリは金箔師たち、特にラ・バロニエールと協働で、彫刻と金箔を施したおびただしい数の木製家具を王室が所有する各宮殿に納めている。カフィエリはきわめて幅広く活動していた。殊に「磁器のトリアノン」(1670年)の調度やヴェルサイユ宮殿の浴室の調度(1677年)の制作に従事し、マルリー城用の彫刻(1685年)を納入している。カフィエリがルイ14世の注文に応じ、王が4年前に入手した斑岩のテーブル板用に彫刻と金箔を施した木製の脚を制作したのは、1669年のことである。
ルイ14世様式ならではの作品
ニコラ・フーケは脚を制作させるつもりでこのテーブル板を注文したに違いないが、王の不興を買ったためにそれは実現しなかった。このテーブル板の直径は1. 45mあり、どっしりとして重い。そのためこれを支えられる丈夫な構造の脚を設計しなければならなかった。脚は、アカンサス葉で飾られライオンの脚4本の上に乗った中央の柱からなり、これがライオンの脚から伸びる子供の胸像柱4体と上下で繋がれている。ライオンの脚とアカンサス葉は、子供の胸像柱と同様ルイ14世様式の家具によく現れるモチーフである。庭園の彫像によく見られるもので、例えばヴェルサイユ宮殿庭園の水のピラミッドの上にも認められる。エスキス(下絵)は1点も残っていないが、本作品にはっきり現れた様式から、シャルル・ル・ブランが構想したものと推定できる。また金箔を張った木製家具は、銀製家具を溶かしてアウグスブルク同盟戦争(1686–1697年)を乗り切るに当たり、代わりに豪華さを保つひとつの方法となっていた。
出典
Lusingh Scheuleer Th. H., in Mélanges Verlet : Studi sulle arti decoratio in Europa, Antologia di belle Arti, 1985, pp. 27-28.作品データ
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彫刻家フィリップ・カフィエリ金箔師ラ・バロニエール
小型円卓
1669年(脚)
テーブル板:ヴォー=ル=ヴィコント城のニコラ・フーケ所蔵品、1665年にルイ14世が購入
ゴブラン製作所
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赤色斑岩、彫刻と金箔を施した樫、金めっきした銅
高さ1.91m、直径1.45m
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王室コレクション旧在
OA 6626
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リシュリュー翼
2階
エフィア城
展示室519
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