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作品 杯の持ち手

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

杯の持ち手

© RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

このブロンズ製の杯の持ち手は、Br3058の作品と同様、使用者の腕の周りに巻きつけるためのものであった。おそらく祭儀の目的に使用された、とても希少なこの種の金属製器具は、紀元前5世紀にマグナ・グラエキアでのみ生産されていたようである。動物装飾の持つ意味は不可思議である。その持ち手は、口に蝉をくわえている蛇の形をしている。そして留め金は馬の頭に囲まれたライオンの抜け殻にて装飾されている。

マグナ・グラエキアでのみ生産された杯

1864年にルーヴル美術館に収集されたこのブロンズ製器具は、使用者の腕の周りに巻きつけるための杯の持ち手の均質のコーパスに含まれる。この作品は紀元前5世紀初期のアルカイック時代の末期に制作された。今日、わずか六個の作品例のみがナポリ、ロクリ、ルティリアーノなどのイタリア南部にて発見された。その全てが紀元前5世紀の間にマグナ・グラエキアの工房にて制作された様に思われる。極めて特徴的なこれらの食器類の生産は、もっとも南イタリアのみに集中している。というのもこの種の器具はギリシア、小アジアでは発見されていないからである。

葬祭の役割?

有名な作品例の一つは、プッリャ州、ルティリアーノの1976年の墓の発掘に由来し、それは紀元前430年制作とされている。しかしながら他の持ち手も、同様の葬祭に関する場所で発見されたと確証できるものは何もない。ルーヴル美術館の作品例に関しては、その収蔵登録簿はそれがナポリで収集された事のみ記録している。そのためこの金属器具の役割は、はっきりしていない。それに加え、それらの装飾に採用された主題の解釈は困難で、その多くは根拠の無いものである。しかしながら出土数の少なさから、これらの作品が祭儀目的のために制作されたと想像できる。

不可思議な動物

持ち手の形に似せたその形態は、鞘羽を閉じた蝉を口にくわえた、波形の蛇の形を装っている。持ち手を広口に固定する留め金は、馬の前半躯に囲まれた、ライオンの抜け殻の頭部と脚により装飾されている。土、地下の世界、埋葬と関連した地下の動物、蛇はギリシアとその植民地であったイタリア南部の美術に頻繁に表現されている。反対に蝉の存在はより不可思議なものである。この動物は音楽、詩、ムーサに伴い他の地域の古代人により頻繁に表され、一般的に好意的な生き物として表現されている。この昆虫もまた時折、孵化前の幼虫や昆虫は土の中で成長することから、土から生まれた地下の生き物のように思われていた。しかしながらどのような理由から、蛇が蝉を攻撃する姿で表現されているのか不明である。蛇、蝉と三人の人物の仮定的結びつきを確立しながら、信仰の転換、マグナ・グラエキアの器具に描かれたアッティカの表現であると見るものもいる。三人の人物とは、蝉の一種の名前を持つケクロプス、土から生まれ蛇と関連するエレクテウス、蝉になったエオスの愛人ティトノスを指す。この杯の持ち手は、その役割とその装飾からこの作品の隣に展示してあるBr 3058の持ち手と比較し得る。1825年に収集される前デュラン・コレクションの一部であったこの作品は、蝉ではなく蛇に食べられるある男を表現した、習慣的な図像により区別されている。

出典

- ROLLEY C., Le serpent et la cigale, Kölner Jahrbuch 33, 2000, Berlin, p. 261-266.

作品データ

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