Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>水がめ

作品 水がめ

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

水がめ

© 2005 RMN / Hervé Lewandowski

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
クラシック時代のギリシア美術(前5-前4世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

墓や神殿の中から頻繁に出土したこの種のブロンズ製の水がめは、恐らく骨壷、あるいは競技優勝者への贈呈品として使用されていた。この作品はボェティアの工房で制作された。その形と三方の持ち手は、水を運搬するテラコッタ製のより質素な家事の道具から着想を得た。垂直の持ち手の留金を飾るセイレンとパルメットは、紀元前5世紀に制作された水がめの作品群の特徴である。

水がめの多様な役割

このブロンズ製の水がめは、東をアッティカ地方、西をポキス地方に囲まれたギリシア中部の地方であるボェティアのコパイ湖の湖畔で発見された。それは、水を運搬するテラコッタ製のより質素な家事の道具の形と補捉用の三方の持ち手(二つは水平、一つは垂直)を採用している。金属製の水がめは神殿や公共建築物の中で大量に発見された。というのもそれらの多くは、いくつかの運動競技の勝者への贈呈品とされていた。紀元前5世紀からこれらは、頻繁に葬祭道具の特徴を持ち、墓の中に置かれた。そこでは、故人の遺灰を納める骨壷の用途を成していた。このボェティア産の作品に見られるこの種の水がめは、頻繁に「カルピス」という表現で呼ばれている。しかしギリシア人がこの固有の形にその名を宛てていたかは確かではない。これら容器の多くは大量生産されていた。

セイレンの装飾と植物の柄

この作品の装飾は、極めて繊細である。その口、持ち手、脚は、彫金術により卵・矢形装飾、バラ模様、葉模様の装飾が成されている。垂直な持ち手の金具の下部は、翼を広げたセイレンの上半身で形成されている。その体はパルメットの頂上から生える植物の螺旋状装飾に埋もれているように見える。この柄は、紀元前5世紀に生産された水がめの作品群の特徴である。それは、多くの作品例の中で、殆ど同じ形で現れている。唯一の違いは、それらの髪形、顔の輪郭、パルメットの形にのみ見られる。セイレンは、霊魂導師の役割を持つ架空の生き物で、埋葬を強く暗示する。この種の容器に見られるこの生き物の存在は、この道具の埋葬的役割を表示する。

クラシック時代のボェオティアの作品

これらのことからこの貴重な容器は、紀元前5世紀後半の制作とされる。バラ模様の垂直な持ち手の上部の金具が、容器の口の部分ではなく、その首の部分に固定されていることからも、このことが確認される。しかしながらこの形態は、紀元前5世紀初期より現れ、それはアルカイック期の形態とは一線を画している。この作品は、多くの場合仕上げの洗練さがそれより劣る他の食器類との形と様式の類似性から、ボェオティアの工房の制作とされている。しかしながら、この水がめがボェオティアのどの都市で制作されたか特定するのは難しい。

出典

E. Diehl, Die hydria, Formgeschichte und Verwendung im Kult des Altertums, Mainz am Rhein, 1964, p. 35-38, n B 154.

作品データ

来館情報

ルーヴル美術館、チュイルリー庭園、クール・カレは、新たな通達があるまで休館・休園いたします。
美術館のチケットをオンラインでご購入された方々には、自動で返金処理が行われます。返金に当たり、特にお手続きをしていただく必要はございません。
なお、返金処理数が膨大なため、ご返金まで三か月ほどかかる場合があります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

チケットを購入する