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作品 猪と鹿の炉端用具

工芸品部門 : 18世紀:新古典主義

猪と鹿の炉端用具

© 1991 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
18世紀:新古典主義

執筆:
Muriel Barbier

2つの薪台からなる、暖炉の装飾品のことを「Feu」(火)と呼び、それには金鍍金ブロンズが施されることが多い。このFeu、すなわち炉端用具はフォンテーヌブローのデュ・バリー夫人のサロンにあったもので、台座の上に鹿と猪を象った飾りが乗っている。作者はカンタン=クロード・ピトワン、当作品は彼の彫刻・金鍍金工としての仕事の繊細さを示すだけでなく、ルイ15世治世末期の、装飾ブロンズにおける形状の簡素化を表わすものである。

フォンテーヌブローのデュ・バリー夫人の八角形サロン

1768年ルイ15世は、フォンテーヌブロー宮殿の自分の小アパルトマンの改装に着手することを決める。それにともない、隣室のアパルトマン―すなわちポンパドゥール夫人の部屋だったところ―を改装する必要がでてきた。そこには、新たに(建物の)出っ張り部分となった、ディアナの庭園に面したところに、八角形のサロンが備えられた。このサロンの暖炉は、白色大理石と金箔をはったブロンズでできていて、現在はヴェルサイユ宮殿のルイ16世の図書の間にある。実はルイ15世が1774年に死去した際に、愛妾のサロンは取り壊され、そこにあった調度類は四方に分散し、暖炉はヴェルサイユに取り付けなおされたのである。その暖炉は、布をまとった子供の装飾が施され、彫刻師のルイ=シモン・ボワゾとブロンズ鋳造師のピエール・グティエールの手によるものである。ルーヴルの炉端用具が置かれていたのはこの暖炉の中であった。

狩猟にちなんだ意匠

各薪台は、角を犬の剥いだ皮で飾った、ずっしりとした台座からなっている。正面には、浅浮き彫りで、風景描写の中に描かれた猟の獲物が表わされている。台座は、アーチ形の上部の飾りから火床の内部に向けて延び、縦溝の入った柱身につながっている。全体がカシワの葉とツタの組み紐文に飾られている。各台座の上には、左側は猪、右側は鹿が(猟師に)追いつめられた様子で表わされている。狩猟に関する主題系は、18世紀の装飾芸術では、ブロンズ装飾に限らず、タピスリーや金銀細工において、繰りかえし登場するものである。狩猟の主題は、フランス王族の狩猟のための居城であったフォンテーヌブローでは、よりいっそうふさわしいものとなっている。

彫刻師の仕事

この炉端用具は、王付きの金鍍金工に任命されていた彫刻師、カンタン=クロード・ピトワン(1777年に死亡)によって制作された。鹿と猪の丸彫りはたいへんすぐれており、彫金細工の技法でも巧妙に再現されている。この精巧さと全体的な線の流れは、ロカイユの熟練を呼び起こさせる。しかしながら、2体の動物が置かれている台座の線は、むしろ幾何学的であり、その全体は古代ギリシア・ローマを思わせる、縦溝のはいった柱身により完成している。この曲線を廃し、より直線的な構成へと傾倒していった形状の変環は、1760-70年代に特有のものである。ピトワンは、黄色とばら色の2つの異なる色調の金鍍金を使用しており、光や浮き彫りの加減で遊びが出るようにしている。今日でも当炉端用具には、変化のある色調を認めることができる。

作品データ

  • カンタン=クロード・ピトワン

    猪と鹿の炉端用具

    1772年頃

    デュ・バリー夫人のサロン、フォンテーヌブロー宮殿、フランス

    フランス、パリ

  • 金箔をはったブロンズ

    左の薪台部分(猪):高さ41.7cm、幅62.5cm、奥行き24.6cm右の薪台部分(鹿):高さ41.7cm、幅65.0cm、奥行き21.5cm

  • 1901年に国有調度品保管所より分与

    OA 5175

  • 工芸品

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