Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>獅子像

作品 獅子像

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

獅子像

© 1988 RMN / Pierre et Maurice Chuzeville

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Demange Françoise

この青銅の獅子は、ユーフラテス河中流域にある壮麗な都市マリで着手された発掘で出土された。これは「国々の王」の名称を意味する女性の神を祀った神殿内で発見され、完全に類似したもう一頭の獅子と対になっていて、現在、それはシリアのアレッポ国立博物館に保存されている。

守衛の獅子?

2頭の獅子像はしかるべき場所で発見された。神殿の入口左の壁を背にして、二段式基壇の上に並べて配置されていた。唯一動物の半身だけが表わされ、実際、2頭の獅子が突如内壁から姿を現すかのように2像の彫刻の後半身は壁にはめ込まれていた。首をぴんと張らせ、頭を右方に向けながら様子を伺う仕草から、今にも神殿の奥へ飛び跳ねていくような印象を与えている。
石灰岩と結晶片岩がはめ込まれ眼球の象眼は、口を開いてうなるかまたは吠える野獣の視線を強調している。上げられた唇から、骨製の歯並びが露出していた。その歯のいくつかは、標本としてルーヴル美術館に保存されている。獅子は、神殿の影に潜んで来場者の出入りを見張っていたのである。近東では守衛の役割をもつ動物像は広く普及しているが、習慣では、それを護るべき神殿や王宮の門両サイドの外部に安置されるものであった。しかし、二頭の獅子があった場所はその内部であり、おそらく従来の守衛の動物像とは異なる役目をもっていたと考えられる。

マリの青銅鋳造師

メソポタミアで立証済みの技術から判断すれば、この2頭の彫刻はおそらく木製の心(しん)に接合させる銅の薄片の継ぎ合わせで構成されている。これは、常温で打ち延ばされた板金に銅釘を用い直接その場所に継ぎ合わせられる。その前に、この木の芯は動物の形に彫られた。ルーヴル美術館の獅子を仕上げるには、18枚の銅片が必要である。たてがみと髭は入念に表現され、左肩にある星形の毛並みの房は、若くて力強い動物を特徴づけている。野獣の右耳の付け根に印された小さい棒状のもののように、細部のいくつかには刻み目がつけられている。それは、この獅子が檻の中にいた動物であり、おそらく神に捧げられることを示しているのであろう。

「獅子のいる神殿 」

この神殿は、高テラスの南中腹を背にする都市の聖域に位置づけられていた。その壁の中に埋もれて出土した定礎埋蔵物には、神殿が紀元前22世紀マリを統治していたシャッカナッック(長官王)イシュトゥプ・イルムによって建てられたことが記されている。神殿は、「国々の王」と称する意味の女性の神に祀られていが、詳しい身元はまだ不明のままである。獅子は、おそらく2千年紀初頭に起こった神殿再建の時にその場所に設置されたのであろう。
マリの最初の発掘者アンドレ・パロは、神殿付近で青銅製の2頭の獅子と同じタイプの対になった10数個の眼球を発見した。そこで彼は、神殿の前にある広場に30頭余りの野獣の群れを閉じ込めていたという仮説を唱えたていた。しかし、最近の研究から、これら総ての眼球がこの一帯を飾ることを意図した彫刻に属していなかったことが明らかにされた。もし、守衛の獅子が神殿外部に置かれていたとするなら、これほど多くの数ではなかったであろう。

出典

- PARROT A., "Les Fouilles de Mari, quatrième campagne 1936-1937", in Syria, n 19, 1938, pp. 21-27.

- BEYER D., FORRIES C., LEMAIRE F., BARGAIN F., "Les Lions du temple du"Roi du Pays"de Mari", 1993, MARI, pp. 79-105.

- MARGUERON J.-C., Exposition Syrie : Mémoire et civilisation, Paris, 1993, n 132.

- BENOIT A., Les Civilisations du Proche-Orient ancien, Paris, 2003, pp. 290-291.

作品データ

  • 獅子像

    前2千年紀初頭

    シリア、マリ(テル・ハリリ)

  • 平打ち銅、目には凍石岩と石灰岩

    高さ38cm、幅70cm、奥行き50cm

  • 1937年、A・パロ発掘

    AO 19520, AO 19824

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    メソポタミア:紀元前1千年紀‐紀元前2千年紀
    展示室227

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

チケットを購入する