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作品 男性頭部の前方

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : ローマ美術

男性頭部の前方

© Musée du Louvre

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
ローマ美術

執筆:
Marie-Bénédicte Astier

1836年メーヌ・エ・ロワールで発見されたノートル・ダム・ダランソンの至宝は、打出しで加工された2点の大型の銀製頭部をもたらした。それからは、紀元3世紀のガロ・ロマンの金銀細工師の装飾への才気が感じられる。この顔立ちは、極端に単純化されている。顔の構造の主要な部分の装飾的な面を優先するように、モデリングはぼやかされている。この男性頭部は、おそらく地方の神殿に献上された神の肖像の一つに属していたのであろう。

ノートル・ダム・ダランソンのガロ・ロマン時代の至宝

この謎めいた様相の作品は、1836年の3月にメーヌ・エ・ロワール県にあるノートル・ダム・ダランソンの村の近くで行われた農業工事の際、銀食器の保管所の中からから発見された2点の大型の頭部のうちのひとつである。1852年、ルーヴル美術館は、アンジェの学者トゥサン・グリルが所有していたこの作品を取得した。考古学的な背景は不明ではあるが、とりわけルグドネンシスの領地または、アルプス山脈で隔てられたイタリア、ガリアの両地域から発見された、類似した金銀細工の工芸品との比較から、この男性頭部はガリアの工房で制作されたものと妥当に推定できる。それら工芸品は、神の肖像、皇帝又は一個人の肖像、動物を模った奉納品などである。2点の銀製頭部と奉納用薄片が同時に存在することから、これらの品々が、この地方に建てられた神殿の財宝に由来することを示していると推測される。

顔の装飾的な様相

的確な表現ではないが、伝統的に「仮面」として扱われるこの顔面は実のところ、後方が紛失された銀製彫刻の前方にあたる。この作品はケルトの伝統手工業から受け継いだ技術に則って、槌打ち、打出しで加工されている。同じガラスケースに展示されている頭部(目録番号Bj 2101)よりもこの頭部は、ほとんど抽象に近い性質を与える単純化された顔つきが強調されている。顔面は表情というものが無く、それはおそらく人物の荘厳な様子を強調するためのものであったのだろう。
モデリングは首の皺、丸い瞳孔が開けられた目、鼻、口などの顔の構造の主要な部分以外にはほとんど見受けられず、それらは単純化された装飾的要素に過ぎない。細かいウエーブで刻まれた髪形は、眉毛の弓形や、目と薄い間節唇で盛り上がった唇の輪郭などの筆触をさらに強調している。

紀元3世紀の神像

この頭部は元来、何らかの神の肖像の頭部であったと思われるが、それが何であったかを確定することはできない。この至宝のなかのいくつかの壺に記載されている、ミネルヴァへの献辞から、この女神のものであると考えられた事が幾度かあった。しかし、この人物の性別が明確でないこともあり、この見解は仮定的なものに留まっている。作品の制作期も断定するのは難しいが、この作品の様式と技術によると紀元3世紀前半に制作されたと思われる。

出典

- Trésors d'orfèvrerie gallo-romains, catalogue d'exposition, Paris, 1989, p. 98-100, n 29.

- BARATTE François, "Le trésor d'argenterie gallo-romaine de Notre-Dame d'Allençon", in Gallia, suppl. 40, 1981, p. 30-33, n 2, pl. 6-7

作品データ

  • 男性頭部の前方

    紀元2世紀中頃‐3世紀前半

    ノートル・ダム・ダランソン(メーヌ・エ・ロワール県、フランス)

    ガリア、ルグドネンシス

  • 銀、槌打ち、打出し

    高さ24.90cm、幅13cm

  • 旧グリル・コレクション、1852年購入

    Bj 2103

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

    シュリー翼
    2階
    アンリ2世の間
    展示室662

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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