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作品 聖母子像

工芸品部門 : ルネサンス

聖母子像

© 2011 Musée du Louvre / Philippe Fuzeau

工芸品
ルネサンス

執筆:
Brigitte Ducrot

1549年から、ヴァンセンヌ城の礼拝堂は国王アンリ2世の命によって修復される。その際、修復の命を受けた建築家フィリベール・ド・ロルムは、窓部分の仕事を、パリのステンドグラス職人であるニコラ・ボーランに依頼した。この《聖母子像》のパネル部分は、この礼拝堂のステンドグラスのうち現在残されている数少ないものの一つである。これは、聖歌隊席を取り囲む5枚のステンドグラスの当時の姿を伝えてくれると同時に、ルネサンス期フランスにおけるステンドグラス美術の新しい美意識と革新を物語る、貴重な断片である。

ヴァンセンヌの礼拝堂における諸作業

1178年より少し前に建てられたヴァンセンヌの王宮には、歴代国王がきわめて頻繁に訪れ、14世紀に至るまで増築が重ねられてきた。サント・シャペル礼拝堂は、1379年にシャルル5世により建造が開始され、15世紀には中途で放棄されたままになっていたのが、やっとアンリ2世治下で、聖ミカエル王立騎士団の騎士らを招集するために完成されたのである。改装工事の指揮は、国王付き建築家のフィリベール・ド・ロルム(1510年頃-1570年)に任される。その際、ド・ロルムは著名な芸術家らに依頼を行い、建具造作の装飾はフランチェスコ・シベック・ダ・カルピが担当し、パリのステンドグラス職人ニコラ・ボーランには、後陣の5つの窓、および1559年以前に作られた外陣の6つの窓のためのステンドグラス制作が託された。ニコラ・ボーランは、他の名高い作業場、例えばアネ、フォンテヌブロー、エクアンといったところにも、その名を残している。

複雑な全体の構成

ヴァンセンヌの国王礼拝堂のステンドグラスは幾度もの損壊を被ることがあり、王政復古期にそれがアンギァン公の葬儀のための礼拝堂となったのを機に、大規模な補修がなされた。ステンドグラスのうちあるものはその場に残され、あるものは今日美術館等で展示されている(ルーヴル美術館、エクアンの国立ルネサンス博物館)。1872年から1877年にかけて、建築家ウジェーヌ・ウディノ・ド・ラ・ファヴリー(1889年没)により建物の修復が行われるが、ラ・ファヴリーはこの《聖母子像》の断片を1878年にルーヴルへ収めた。最近の研究によって、大ステンドグラスの図像表現が三つの部分に分かれることが明らかになっている。上段には建物の一部を模したものが描かれ、その下、中段部分では当時一般的であったように、複数の窓にわたって「ヨハネの黙示録」のテーマによる大型絵図が描かれている。下段には、祈りを捧げる姿勢をとった諸王の像があり、身廊の中心線上にある《聖母子像》の方を向いている。なお《聖母子像》は、今日、複製で置き換えられている。

類いまれなパリのステンドグラス

ステンドグラスは、16世紀にはフランスの特産品と考えられていた。度重なる破壊による傷跡が絶えなかったとはいえ、その生産はきわめて大規模なものであった。フランス諸地方に大量に存在する作品と、パリ地域のいくつかの大ステンドグラス(例:サン=テティエンヌ=デュ=モン教会)は、ルネサンス期フランスのステンドグラス職人の技術の卓越と、その広まりとをいまだに物語っている。この《聖母子像》は、作品全体の断片には過ぎないものの、16世紀の最初の約30年間以来見られた、ステンドグラス制作における二つの大きな刷新を示している。一つはまず、単色画の飛躍的な発達からくる技法面での革新であり、もう一つは、宮廷で制作を行った芸術家らのイタリア趣味への傾倒による、様式面での革新である。しかしながら、原画を制作した画家が誰だったのかという問題は依然残っている。ド・ロルム自身の名がまず挙げられはしたものの、下絵はおそらくクロード・バドゥワンによるものではないかと考えられている。

出典

- Louvre. Guide du visiteur. Les Objets d'art. Moyen-Age et Renaissance, Paris, Editions de la Réunion des Musées nationaux, 1994, p. 128-129.

作品データ

  • ニコラ・ボーラン(ステンドグラス職人) - クロード・バドゥワン (下絵 ?)

    聖母子像

    1556年

    ステンドグラス断片、ヴァンセンヌ国王礼拝堂のため制作

    パリ (フランス)

  • ガラス、鉛

    縦75 cm、横53.5 cm

  • 1878年、ウジェーヌ=スタニスラス・ウディノ・ド・ラ・ファヴリーによる寄贈

    OA 2453

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    アンリ2世
    展示室530

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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