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作品 通称「エサギラ」と呼ばれる粘土板

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

通称「エサギラ」と呼ばれる粘土板

© 2007 Musée du Louvre / Raphaël Chipault

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Iselin Claire

通称「エサラギ」と呼ばれる粘土板は新バビロニアの数学文献であり、紀元前229年にウルク(メソポタミア)で作成された後期の複写の形で到来したものである。表題は書記によって扱われたエサギラ(バビロンにあるマルドゥク神の神殿)の唯一の部分が神殿にある二つの前方中庭であるので、正確には文献内容に対応していない。粘土板の残り部分はエテメンアンキのジックラトに関しており、それの復元には非常に貴重なものである。

バビロンノマルドゥク神殿

文献はさらに古い記録から複写され、バビロニア王朝の王ナボポラッサル(紀元前625-605年)とナブカドネツァル2世(紀元前604-562年)が再建したバビロンにあったマルドゥク神殿を描写している。この神殿はエサギラ「頭をもち上げる神殿」と称していた。文献では、先ず初めに囲いの中に位置づけた階段状の聖塔ジックラトの基底部を重複した記述で伝え、次に主神殿について詳しく述べ、終りにエテメンアンキと呼ばれる壇をいくつも積み重ねた聖搭の寸法を伝えている。この聖塔は「天地の礎なる館」を意味し、旧約聖書に登場する「バベルの塔」のモデルになった『創世記、第1章1-9』。 これには階段状に配置された壇が7層あったに違いなく、その頂きには神殿が載せられていた。ドイツ発掘隊は正方形の基壇基底部の大きさが、一辺91メートル以上あることを確認した。この発掘では、他の各層に比べ最も高い一階とそこから二階に通じる南正面壁に備えられた三つの大階段しか明らかにされなかったが、さらに小さい階段から、おそらく高さ90メートルあった頂上へ到達することができていたであろう。

複雑な数学体系

この文献はバビロニア人に用いられていた数学の計算方式をわかりやすく説明しており、書記術のより神秘的な分野に案内してくれる。これらの寸法は《聖》なるもので、裏面には、計算すべき寸法の要約が表示してある「秘儀の伝授された者から秘儀の伝授される加入者へそれが示されますように、素人はそれを理解してはならない・理解する運命にない」。難解でまた博学なこの体系は、伝統を管理する「賢者」しか対象にされていなかった。秘儀を保存しておくという策略から、彼らの同僚のアラム人やギリシャ人に伝承することを怠ったために、2千年近くの間メソポタミア全体の文化の消滅を招いた。
文書の抜粋から。
「エテメンアンキの基底部の測定値に関しては、これが考慮すべき長さと幅である。3×60が長さで、3×60が幅であり、標準クデ(1クデ=ひじから中指先まで約50cm)で測定される。したがってこれらの寸法は3×3=9, 9×2=18である。もし、あなたが18の値(あたい)を知らないなら、これがそうである。種の入った升3杯分が小クデで測定される面積である。エテメンアンキの基底部では、高さイコール長さであると同時にまた幅である。秘儀の伝授された賢者から秘儀加入者へそれを教えられるように。秘儀非加入者がそれを理解するようなことがないように。ボルシッパの複写に基づいて、描かれそして照合され書かれた粘土板、ウルクにて、キスリンム月第26日目(紀元前229年12月12日)。セレウコス(彼が)王(であった)第83年。」

ギリシャ筋からの情報源

このベル・マルドゥクの塔は同様にギリシャ筋の情報源から私たちに教えてくれる。シチリアのディオドロス(第2章7-10)では、「町の真ん中に建てられたベリュス神殿は並外れて高かったので、カルディア人がそこで天文学の研究をしていた」と伝えており、またヘロドトス(第1章178-182)では、「それは4角をなし、それぞれの側面が2スタジオン(古代ギリシャの長さの単位で約180メートル)をもつことができる。真ん中では長さと幅が1スタジオンある立体の塔がそびえ建ち、この第1番目の塔上に、もうひとつの塔が建てられ、その上に第3番目が、それから、このようにして続けて8つの数まで建てられている」と測定値を示している。バビロニアの文献はこれらの情報を確証してくれる。
ルーヴルの粘土板は英国博物館の断片(BM 40813)で補われ完全なものにされている。

出典

- THUREAU-DANGIN François, Textes cunéiformes du Louvre, VI, Geuthner, 1922, n 32.

- WEISSBACH F.H., Das Hauptheiligtum des Marduk in Babylon, Esagilia und Etemenanki II, Osnabrück, 1967.

- ANDRE Béatrice, Naissance de l'écriture : cunéiformes et hiéroglyphes, catalogue d'exposition, Grand Palais, 7 mai-9 août 1982, Éditions de la Réunion des musées nationaux, p. 336, notice n 284.

- POWELL M.A., "Metrological Notes on the Esagilia Tablet and Related Matters", in Zeitschrift für Assyriologie, Band 72 I. Halbband, Walter de Gruyter, pp. 106-123.

- VICARI Jacques, La Tour de Babel : reconstruction et recherches, catalogue d'exposition, Genève, oct. 1991, Maison du Bout-du-Monde, 1991.

- ANDRE-SALVINI Béatrice, Babylone, PUF, coll. "Que sais-je ?", 2001.

作品データ

  • 通称「エサギラ」と呼ばれる粘土板

    セレコウス83年(前229年)

    メソポタミア

  • テラコッタ

    高さ18cm、幅10cm、厚み1.8cm

  • 1913年取得

    AO 6555

  • 古代オリエント美術

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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