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作品 鏡入れの蓋

工芸品部門 : 中世

鏡入れの蓋

© 1993 RMN / Daniel Arnaudet

工芸品
中世

執筆:
Marie-Cécile Bardoz

ゴシック期の象牙細工師は数多くのキリスト教にまつわる作品を生み出したが、同様に鏡入れの蓋のような世俗的な作品も制作していた。小さなプレートには、宮廷風の題材や、当時好まれた寓話を想起させる場面が彫られている。ここに見られるチェスの試合は、おそらく物語『トリスタンとイゾルデ』の一節から想を得たものである。浮彫の起伏に見られる並々ならぬ滑らかさと、人物の優美な微笑みは、国王フィリップ美麗王の宮廷美術に特徴的なものである。

宮廷恋愛文学

4頭のキマイラに囲まれた鏡入れの蓋には、物語『トリスタンとイゾルデ』からの挿話が描かれている。2人の主人公が、媚薬を飲んで恋に落ちる前に、マルケ王のところへ向かう船上でチェスに興じている場面である。あるいは、物語『ボルドーのユオン』の一節かもしれない。そこではユオンが、美しい対戦相手から愛を得ようと命を賭けている。

宮廷恋愛の寓意

ゴシック期に制作された鏡の蓋の大部分は、談笑する、あるいは狩をする恋人たちを想起させる。この流行にチェスの場面も含まれる。その証拠に、この場面はロンドンのヴィクトリア・アンド・アルバート美術館が所蔵する1点にも見られ、そこで恋人たちはチェスの試合をしている。また、ケルンの聖ウルスラ教会にある宮廷場面を描いた小箱にも同じ情景が現れる。チェスの試合という、戦略を要求する知的なゲームの主題は、同じく明確な掟に支配される宮廷恋愛を象徴する。この点で、露骨で放埓な愛を象徴するさいころとは対照的である。侍女が手にしている冠は、男の祈願が成就することを暗示しており、やがて訪れる恋人たちの肉体的な結びつきを想起させる。

国王フィリップ美麗王の宮廷美術

やわらかな起伏や丸みを帯びた立体感からは、オノレ親方の写本作品や、1300年頃に国王フィリップ美麗王のために制作された、ポワッシー参事会聖堂の彫刻作品が思い出される。本作品の洗練された仕上がりは、フィリップ美麗王の時代におけるフランス宮廷美術の流れに位置づけることができる。

出典

- GABORIT-CHOPIN Danielle, L'art au temps des rois maudits. Philippe le Bel et ses fils 1285-1328, Catalogue d'exposition, Paris, Galeries du Grand Palais, n 98, 1998.

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Valve de miroir : Le jeu d'échecs, in L'objet d'art de la saison, n 3, septembre 1997-février 1998.

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Miroirs. Jeux et reflets depuis l'Antiquité, Catalogue d'exposition, musée départemental des Antiquités, Rouen, 2000-2001, p. 122.

- GABORIT-CHOPIN Danielle, Les Ivoires médiévaux, Catalogue des collections du département des Objets d'art, Paris, editions de la Réunion des musées nationaux, n 127, 2003

作品データ

  • 鏡入れの蓋

    1300年頃

    フランス、パリ

  • 象牙

    直径11.5cm、奥行き0.9cm

  • 1856年A.-Ch.ソヴァジョより寄贈

    チェスの試合

    OA 117

  • 工芸品

    リシュリュー翼
    2階
    ジャンヌ・デヴルー
    展示室503

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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