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作品 雷を振りかざす雷雨神アダドの石碑

古代オリエント美術部門 : メソポタミア

雷を振りかざす雷雨神アダドの石碑

© 2000 RMN / Franck Raux

古代オリエント美術
メソポタミア

執筆:
Kalensky Patricia

アッシリア帝国の地方宮殿から出土したこの石碑は、レヴァント地方の伝統が新アッシリアの記念碑彫刻へ適応した事例を物語る。
シリアの世界では豊穣に関連した雷雨神の信仰が非常に普及していたが、ここではアッシリアの神アダドの姿で表現されている。

アッシリア人によって征服されたアラム人都市の記念碑

この石碑は、1928年アルスラン・タッシュの発掘でフランソワー・ テューロー=ダンジャンが率いるフランス考古学調査団によって発見された。シリア北部にあるこの遺跡は、かつてのアラム人都市ハダトゥであったが、前9世紀アッシリア人によって征服された後その地方首都になった。前8世紀、ティグラト=ピレセル3世は、そこへ宮殿を建て、そこにあった神殿を修復した。石碑は、主要な神殿のひとつであったイシュタル女神を祀る神殿で発見された。

雷雨の神

石碑は、2千年紀以来シリア人すべてに崇められていた雷雨神を表わしている。神は、大股で進みながら立った姿で表わされ、彼の随獣である牡牛の上に登り、そのうなり声から雷鳴を連想させる。雷雨は、両手で振りかざされた雷に象徴されており、粗暴な性格をもっていて、神の力強い物腰と神がもつ剣がそれを伝える。雷雨は、雷が誘発する雨の有益な効果によって肥沃な力にも同程度に関連づけられている。彼は、ここでは石碑AO 11503に姿を見せる愛と戦争を司る男性のイシュタル女神に相当する神として登場する。しかも、神は星の円盤が載る角のある冠をかぶっており、その天体のモチーフは、おそらく金星の擬人化としてのイシュタルを想起することができるだろう。それゆえ、このアダトの石碑は、当を得て女神の神殿の中にその居場所を見いだすのである。

文化混合例

先端がアーチ形に湾曲した石碑には、レヴァント地方の伝統が窺える。この彫刻に用いられた石材は、
その地方特有の伝統に従い固くて細工が難しい岩石の玄武岩である。この記念碑およびアルスラン・タッシュの一群の彫刻は、おそらくアッシリアの彫刻師の監督のもとに地方職人によって制作されたのである。
それに反しこのシリアの伝統の神は、ここではその衣装が明らかにするようにアッシリアのアダドの姿で登場する。実際、神はニムルドのいくつかの浮彫に見られるような、長い巻き毛が幾段も飾られた布地の大きな上着か肩掛けをはおっている。上着は左脚の上で大きく開き、下に着ている短いチュニックを露わに見せている。この衣装はアッシリアの浮彫に多くの実証例がある。例えば、後頭部に巻き毛をまとめ髪を結う神の髪型、円筒の冠、また長くて角のある顎髭(あごひげ)、そしてウエストに差された装飾を施した鞘がある長い剣のように。
したがって、この彫刻は地方伝統とアッシリア文化の影響の間にある見事な融合の例である。

作品データ

  • 雷を振りかざす雷雨神アダドの石碑

    前8世紀

    シリア国内、アルスラン・タッシュ、旧ハダトゥ

  • 玄武岩

    高さ1.38m、幅0.56m

  • 1928年、テューロー=ダンジャン発掘

    AO 13092

  • 古代オリエント美術

    リシュリュー翼
    1階
    メソポタミア:シリア北部 アッシリア ティル・バルシプ、アルスラン・タッシュ、ニムルド、ニネヴェ
    展示室230

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
 
開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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