Go to content Go to navigation Go to search Change language

ホーム>作品と宮殿>コレクションと学芸部門>骨壷

作品 骨壷

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門 : エトルリア美術(前9-前1世紀)

骨壷

© 1988 RMN / Pierre et Maurice Chuzeville

古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術
エトルリア美術(前9-前1世紀)

執筆:
Astier Marie-Bénédicte

ヘレニズム時代の間、ヴォルテッラの工房は、この作品に類似した数多くの雪花石膏製の骨壷を生産した。死者は、伝統的な宴会に参加する姿勢で、蓋の上に下半身を寝かせ、扇を手にした若い女性の姿で表現されている。容器の装飾は、トロイアに悲劇をもたらす、ヘレネとパリスの重要なエピソードにあたる、トロイアの王子の船にヘレネが略奪される伝説を描いている。

ヴォルテッラの骨壷

前2後半に制作されたこの骨壷は、ヴォルテッラの工房にて制作された埋葬記念碑の特徴を持ち合わせている。前4世紀より、このエトルリアの都市の工房は、死者の遺灰の収納を目的とした、多彩な雪花石膏製の骨壷の大量生産にて名を上げた。エトルリア人は、ヘレニズム時代末まで土葬と平行して火葬も行っていた。これら骨壷の形や図像は、ほぼ決まりきったものである。容器は通常、神話または埋葬に関する場面で装飾され、高浮彫にて加工されるのに対し、死者は蓋の上に宴会に参加する姿勢で、蓋の上に下半身を寝かせた様子で表されている。

死者の肖像

この作品には、右手に扇を持ち、左手に不死の象徴であるザクロ、または丸い蓋付き香油の小型壺のように解釈される物を持った、装身具で装飾された若い女性が表現されている。この死者の肖像は、正確には本人を描いたものではない。その顔の輪郭は個人化されておらず、同室に展示されているMa2357の作品のように、ヴォルテッラの他の骨壷に見受けられるものに類似している。二つの骨壷はまた、全く同じように人体を表現している。彫刻家は、全体の形の完成度を犠牲にしながら、象徴的な要素を優先した。それは両脚の短縮、体の大きさや均整に対し大きすぎる頭部の不均整などの体の変形という結果をもたらした。扇、装身具、左手に握られた物体などの象徴は、その大きさより存在感を主張している。

ヘレネの略奪

容器の浮彫は、トロイアの王子パリスと、スパルタの女王でメネラオスの妻であるヘレネの伝説の主題から取り入れられた。文学や芸術にて早くから称えられた、この2人の若い恋人たちは、古代にて大変な人気を得ていた。しかしながらヴォルテッラの職人たちは、エトルリアでこの主題に唯一興味を持った人々のように思われる。この骨壷で彼らは、劇的な結果を招いたトロイア戦争の重要なエピソードである、その愛人による若い女性の略奪を表現している。構成や人物像の姿勢は、節度、簡潔さ、内なる感情を漂わせている。2人の船員に導かれヘレネは、トロイア行きの船の近くに座って待つパリスのもとに合流する。

出典

Briguet M.-F., Les urnes cinéraires étrusques de l'époque hellénistique, Editions de la Réunion des musées nationaux, Paris, 2002, n 63, p.152-157.

作品データ

  • 骨壷

    前2世紀第4四半期

    ヴォルテッラ?(イタリア)

    ヴォルテッラ(イタリア)

  • 雪花石膏、丸彫、高浮彫

    (蓋を含む)高さ90cm、幅24cm、容器の直径69.5cm 、蓋の直径71.5cm

  • 旧セルモッリ・コレクション、後にミカリ・コレクション、1827年取得

    ヘレネの略奪

    MA 2355

  • 古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術

来館情報

ルーヴル美術館、チュイルリー庭園、クール・カレは、新たな通達があるまで休館・休園いたします。
美術館のチケットをオンラインでご購入された方々には、自動で返金処理が行われます。返金に当たり、特にお手続きをしていただく必要はございません。
なお、返金処理数が膨大なため、ご返金まで三か月ほどかかる場合があります。
ご理解のほどよろしくお願いいたします。

チケットを購入する