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1対の「噴水」壺

© 2007 Musée du Louvre / Martine Beck-Coppola

工芸品
18世紀:新古典主義

執筆:
Muriel Barbier

この1対の壺は、形状の変換期であった、1765年にセーヴルで制作された。壺は、溝彫りされた柱に一部を切り取られた柱身からなり、その柱身から、イルカを側面に伴った水の噴出口が突き出ている。形状と装飾は古代ギリシア・ローマに着想を得ている。このルーヴルの2つの「噴水」壺は、王妃マリー・レクズィンスカ(1703-1768年)が所有していた。

革新的な形状

1762年を境にセーヴル製作所に新しい形状が登場する。そこにおける完全な均整は、奇をてらったロカイユの装飾要素とは決別するものであった。この改革の原因は、元来1747年からセーヴル製作所の彫刻の工房で、モデルとなる型の素描画家を務めていたエティエンヌ=モーリス・ファルコネの介入によると説明される。彼が開発する、その後に決定的な影響を与えることになる。「噴水」壺は、一部を切り取られた柱からなり、リボンが巻き付くイグサに飾られた、5本の水平の刳り形が施されたトルスに支えられている。溝彫り彫刻の脚の上部には、トルスを支えている形で葉冠が施されている。トルスの上部にはイルカの頭が乗り、その尾は柱をさかのぼる形をしている。平らな蓋には、噴水口の形の持ち手が付いており、それにより壺が噴水のように見えるようになっている。石膏でできた型は保存されていないが、製作所には18世紀の素描が残っている。

揃いの装飾品の一部としての「噴水」壺

ルーヴルの「噴水」壺は、早い時期から「白鳥の」壺(OA11024、同じくルーヴル蔵)と組み合わせられていたようである。これらの3体の壺は、すべて王妃マリー・レクズィンスカが所有していた。しかし、「噴水」壺が最初から、「白鳥の」壺と合わせて装飾をなしていたかどうかを知ることは困難である。が、発想源 ―1762年を境にセーヴルで見受けられる発想源― はやはり近似している。その1762年という年は、石の建物を起源とする形をもつ、簡素な新古典主義的な壺が制作された年である。知られている限りでは、4体の「噴水」壺が存在する:ロンドンのワラス・コレクションに1対、そしてもう1対は、バルティモアのウォルターズ・アート・ギャラリーに保存されている。それらの壺は、それぞれ別に制作されたと考えられており、同じ一揃いの装飾品のためではないようである。

新古典主義的な装飾

壺の地の色は、「新しい青」(1763年からセーヴルで使われる色)という色で、中央のトルス全体にわたり、白で残された要素 ―溝彫り装飾や葉飾り、イルカ―  を際立たせている。異なる装飾要素は、豊かな金鍍金が引き立てている。それらは、古代の建築の装飾要素に由来する意匠である。この新古典主義的な要素は、同時期の他の壺にも見受けられ、なかでもとりわけ、同じくルーヴル蔵のメダイヨン壺(OA10908)や、また当作品と同様に、一部を切り取られた溝彫り彫刻の柱が施された、「ファルコネ・アモル」壺(製作所が石膏型を保存)が挙げられる。よって、ルーヴルの「噴水」壺は、「白鳥の壺」と同じく、セーヴルが新古典主義を適用していた時期を、象徴する作品である。

出典

- Un Défi au goût, Catalogue d’exposition, Paris, Editions de la Réunion des musées nationaux, 1997, p. 93

- ENNES P., Un vase avec des cygnes et deux vases "à jet d’eau" , in La Revue du Louvre et des Musées de France, Juin 1987, n° 3, p. 201-206

作品データ

  • 1対の「噴水」壺

    1765年

    王妃マリー・レクズィンスカ

    セーヴル製作所

  • 軟磁器

    高さ33cm、幅26cm、直径22cm

  • 1985年蒐集

    OA 11025, OA 11026

  • 工芸品

来館情報

ルーヴル美術館 パリ フランス
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開館時間
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)

休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日
 
 

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