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1対の壁に掛けるろうそく立て

© 2011 Musée du Louvre / Philippe Fuzeau
工芸品
18世紀:ロココ
この壁に掛けるろうそく立ては、アンドレ=シャルル・ブール(1642-1732年)のデザインによるものだとされている。左右非対称で、髭をたくわえたサテュロスの顔の周りに連なる、壁に掛けるろうそく立て1対から構成されるこの作品は、18世紀初頭の新しい装飾品である。この種の照明器具は、鏡の両側に置かれ、鏡がその明かりを反射させることから、明かりの分野の進歩を示している。
新しい明かりの取り方、新しい様式
ろうそく立てを支える縦の軸は、ツタとショウカの葉の唐草模様と交差する、アカンサスの葉の唐草模様から成る。構図の中央には、月桂冠を冠った髭面の老人の顔があり、アンドレ=シャルル・ブールが制作した、家具の取り付け装飾のいくつかにも類似したものがある。この顔面から2本のそでが発生し、それぞれが先端にろうそくの受け輪と受け皿をつけている。それぞれは完全に左右非対称である。この1対のろうそく立ては、新しい照明方法の誕生を示している。実際17世紀に使われていた照明板は、18世紀初頭には対で壁に掛けるろうそく立てに取って代わられる。ノーフォークのヒュートンホール(イギリス)のコレクションに保存されている、《モリエールの読書》という題の、ジャン=フランソワ・ド・トロワ(1679-1752年)の絵が、これらのろうそく立ての使用法を私たちに示してくれる。下部の分枝が、明かりの反射を増やすために、鏡の前にまでわたっている。このようなろうそく立てにおいては、分枝は壁に取り付けられた縦長の部分よりも重要な、装飾的役割を持っていた。グロッグコレクションの作品は、双方が全く異なる分枝だけでなく、構図全体が曲線で構成されている。この対のろうそく立ては、新しい曲線的な形状の流行の証人である。ルイ14世様式の厳格さはもう通用せず、ロカイユの弧を描く形状を先駆ける摂政様式に取って代わられるところであった。
アンドレ=シャルル・ブールの作品とされる壁に掛けるろうそく立て
この対のろうそく立ては、1725年にピエール・マリエットが、《アンドレ=シャルル・ブールの草案・印刷による寄木細工の調度・ブロンズ装飾品の新デザイン集》の中で発表した、『天井の低い部屋にある暖炉用のろうそく立て』という題の版画に見られる草案に相当する。版画に比べると、グロッグコレクションのものはより装飾が豊かである。このろうそく立てが、ブール自身の工房から出たものであるかどうかを知ることは困難である。しかしながらブールはこのようなろうそく立てを制作しており、1720年には、マリエットの版画集が示すように、異なる9つのろうそく立てを注文作品の中に数えていた。マリブのジャン=ポール・ゲッティー美術館(アメリカ合衆国)はこのグロッグコレクションのものに近いろうそく立てを所有しており(83.DF.195.1-2)、ブールが提案する型の変形したものである。
出典
- Cinq années d'enrichissement du patrimoine national 1975-1980, Paris : RMN, 1980, p 116, n°95.作品データ
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アンドレ=シャルル・ブール(推定)
1対の壁に掛けるろうそく立て
1700-1715年
パリ
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金箔を貼ったブロンズ
高さ62cm、幅50cm
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ルネ・グロッグ氏とグロッグ=カルヴェン夫人の寄贈
OA 10516
来館情報
地下鉄:1番線または7番線、Palais-Royal Musée du Louvre 駅
月・木・土・日:9時-18時
水・金:9時-21時45分(夜間開館)
休館日:毎週火曜日、1月1日、5月1日、12月25日